横浜FMは前節、全北現代に0-1で惜敗。序盤はボールを支配し、決定機を作っていた。しかし決定力に欠けると、逆にカウンターに活路を見いだした相手の反撃に遭い、31分、カウンターを止めようとした松原 健がPKを献上して先制を許す。これを機に割り切った全北現代の守備ブロックを最後まで切り崩せず、無得点のまま終了のホイッスルを迎えた。
この結果、2位に転落した横浜FM。1位突破に向けては「もうすべて勝つしかない」(岩田 智輝)が、辛勝した初戦も含めて、直近2戦は自慢の“アタッキングフットボール”を披露できていない。その要因は日本と異なる環境も影響しているようで、「(試合の時間帯は)夏の夜に近いが、日本よりも湿度が高い。ACLのボールは軽く、練習場のピッチが荒れていて、まだフィーリングが合っていない」とは2戦ぶりに先発復帰が濃厚な永戸 勝也。高温多湿の気候に加え、Jリーグとは異なるmolten製の公式球への順応もカギとなりそうだ。
次節も同カードが組まれており、2試合合計180分を勘案したマネジメントが定石だが、前日の公式会見に出席した豪州出身のケヴィン マスカット監督は「シドニーFCとの2戦目は特に気にしていない。1試合目ともメンバーは違うだろうし、明日の試合に集中する」と言い切った。
その指揮官は、シドニーFCを率いるスティーブ コリカ監督とは豪州代表で共闘するなど旧知の仲。「よく知っているが、明日は敵。相手の情報や分析を選手と共有しているのは前提で、一番大事なことは日本とは違う環境で難しさがある中、自分たちのサッカーをどう表現するか。9割方そこに懸かっている」。運動量が多いスタイルにとって不向きな環境でも、ブレずに“アタッキングフットボール”を貫くことを明言した。
シドニーFCと言えば、2年前のACLでもグループステージで同組になった相手。特にホームでの1戦目は4-0と寄せつけず、悪いイメージはない。一方、当時も主力だったDFアレックス ウィルキンソン、GKアンドリュー レッドメイン、DFライアン グラントら守備陣には豪州代表をそろえており、今大会2戦を見ても全北現代を無失点に抑えるなど、堅さがある。
横浜FM視点では堅牢をどうこじ開けるかが焦点。全北現代戦は「ファイナルサードの質を上げなければならない」と指揮官が言及するなど、決定力不足を露呈しただけに、先発が予想されるレオ セアラ、仲川 輝人、宮市 亮の3トップ、今大会初先発の可能性があるマルコス ジュニオールら攻撃陣のフィニッシュ精度に期待がかかる。
[ 文:大林 洋平 ]