横浜FMは前節、シドニーFCに1-0で辛勝。序盤、アグレッシブな戦いを見せたが、最終ラインを押し上げるスピードが上がらず、徐々にトーンダウン。選手同士の距離感が遠くなったことで、パスカットからシドニーFCに決定的なチャンスを作られる。ただ、後半は多くのポジションを固定して戦うシドニーFCにも疲れが見え始める。逆に横浜FMは62分と70分の2枚替えで盛り返すと、81分に途中出場の角田 涼太朗が決勝点。今大会2勝目を手にし、2位を死守した。
今節は3日前に激闘を繰り広げたシドニーFCとの再戦となる。そのシドニーFCの印象について、前節先発し、24日の公式会見に出席した渡辺 皓太はこう語る。「カウンターが鋭く、特長がある。細かいミスを少なくし、トラップにこだわらないといけない。もし失ってもカウンタープレスでつぶし切ることも意識しなげればならない」。
高温多湿の気候や、多くの選手が「軽い」と口にするmolten製の公式球の影響など、パスミスの要因はいくつかあるが、陣形のコンパクトさの欠如もその1つだろう。「日本のJリーグとこちらはまったく違う」(ケヴィン マスカット監督)という環境の中でも、“自分たちのサッカー”を追求するのであれば、どこまで修正できるかは別問題として、そこは改善点となる。
夜の試合時間帯でも湿度は80%近く、サッカーには非常に厳しい環境。その中でもスタイルを貫く横浜FMだが、指揮官は「どんな状況であっても自分たちのサッカーを表現しようとする選手たちを誇りに思う」と選手たちの姿勢に賛辞を贈る。その一方で「最低限」と指揮官が口にするように、現実的には90分間強度の高いプレーを続けるのは難しい中、理想と現実に折り合いをつけ、したたかに戦う“アジア仕様”が求められているのもまた事実だろう。
シドニーFCは、前節ベンチを外れた元オランダ代表のルシアーノ ナルシンが要注意人物。ケガさえしていなければ先発の可能性は高く、対峙するであろう角田と實藤 友紀がどう抑えるかがポイントとなる。ただ、シドニーFCの選手層は厚くなく、大ベテランのアレックス ウィルキンソンが3試合連続先発するなど、そろそろ疲労も蓄積されているはず。前節の後半のようにサイド攻撃には脆さを見せる部分もあり、横浜FMとしては、そこは今節も狙いどころとなる。今大会はまだ流れからの得点がなく、得意のサイドアタックからゴールが生まれれば、もう1つ勢いに乗れるはずだ。
[ 文:大林 洋平 ]