グループF第3節、第4節にわたる大邱との“首位決戦”で1分1敗に終わり、自力での1位確保が消滅。残り2試合を浦和が全勝しても、大邱が同じく全勝すれば勝点は同じ。直接対決で負け越したため、グループを首位で通過するには大邱が勝点を落とすことを待つしかない。
では2位通過はどうか。2位となった場合、東地区の5グループからノックアウトステージに進出できるのは成績上位の3チームのみとなる。さらにややこしいのは、上海海港の辞退により設けられた、『最終成績を計算する際に、4位チームとの試合結果をカウントしない』というルールだ。
これを踏まえると、浦和にとっては最終節・山東泰山戦でいくら得失点差を稼いでも意味はなく、この第5節が最も重要な試合となる。前日会見では岩尾 憲が「勝点3が非常に強く求められるタイミングだと思う。心と体の両方をコンディショニングしてベストを尽くす」と意気込んだ。
そしてセーラーズの印象を問われたリカルド ロドリゲス監督は、「どのチームも1試合ごとに学んで成長、改善してくる。彼らも改善しており、ファーストゲームとは違う形になると思う」と警戒するコメント。
事実、セーラーズは第1節・浦和戦にこそ敗れたものの、第2節では大邱を相手に3-0と快勝。続く山東泰山戦では0-0のドローとなったが、第4節ではしっかり勝利。ここ3戦負けていない勢いは脅威だ。4-1で快勝した相手とはいえ、同じようにうまくいく保証はない。ただ、「相手がどういう意図を持ってプレーしているのかを見ながら、われわれは自分たちのプレーをしっかりとやっていくことが大事。相手の対策もあるだろうが、良い試合をしていければ」と指揮官はあくまで姿勢を崩さない。
その上で、2位争いも考慮すればただ勝つだけでなく、なるべく多くの得点を挙げて勝っておきたいところでもある。前節は勝利が絶対条件だったこともあり、「縦にアグレッシブなフットボールを展開していた印象がある」と岩尾は分析している。
それは「リカルド監督が志向するサッカーとは多少ズレがある」としながらも「いまいる選手たちで勝利、ゴールに確率論で近づく方法はこういった形なのかなと、学ばせてもらった部分もある」と岩尾。
今季ここまで、チームの心臓的なプレーを披露しながらも、いまひとつ周囲とかみ合わなさがあった司令塔が、このAFCチャンピオンズリーグで得た気づきをどうピッチに還元するのか。整然としたサッカーをベースにしながら、気を見て大量得点を奪うサッカーへ。攻撃スイッチのオン・オフをどこで入れ、ゲームの緩急をどうコントロールするか。“リカルドサッカー”の申し子に浦和の命運が委ねられる。
[ 文:沖永 雄一郎 ]