横浜FMの前節・シドニーFC戦は4試合を戦ってきた今大会で一番の出来だった。水沼 宏太の高精度クロスを實藤 友紀が頭で合わせて先制パンチを浴びせると、西村 拓真が絶妙な反転からネットを揺らし、11分までに2点のリードを奪う。63分に角田 涼太朗が一発レッドで退場したが、10人になっても出力を上げて、疲弊していく相手を運動量で上回る。87分には、相手ペナルティーエリアに攻め上がった岩田 智輝が3点目をお膳立て。終わってみれば3発快勝となった。
そのシドニーFC戦のあとに行われたホアンアインザライvs全北現代が1-1のドロー決着となったため、勝点9に伸ばした横浜FMが勝点8の全北現代を抜き、首位に浮上した。そして今節は全北現代を苦しめたベトナムの国民的人気クラブとの再戦。27日の前日会見に出席したケヴィン マスカット監督は相手の印象をこう語る。
「慣れた環境も優位に働き、内容的にも良く試合を重ねるごとに成長している。過剰なリスペクトはしないが、ストロングは切り替えの局面。2、3人速い選手がいる」 現地メディアから具体的な選手名を尋ねられても、それを拒んだ指揮官ではあったが、ホアンアインザライの攻撃陣を警戒。おそらく、全北現代戦で同点ゴールを決めたグエン バン トアン、前回対戦でキレのある動きを見せた右ウイングバックのブー バン タン、元水戸でベトナム代表のグエン コン フォンらの名が頭の中にあるはずだ。
一方、横浜FMの充実ぶりも見逃せない。前日会見に同席した岩田は長期間、寝食を共にするメリットを感じている。「いつもは練習場だけだが、空いた時間では常にサッカーの話をしている。その証拠に試合内容が徐々に良くなっている」。前節は数的不利の状況下、出場機会がなかった選手を含めてベンチから大きな声が出ていたように、トリコロールの強みである結束力がさらに強まっている印象だ。
横浜FMは今節も大幅にローテーションする見通し。理想的な展開だった前節同様、まずは決定力を高め、できるだけ早い時間帯に先制点を奪うことに注力したい。ただ、もしゴールを奪えなくとも、焦れないことが肝要。相手は初戦からあまりメンバーを入れ替えておらず、時計の針が進めば進むほど疲労度は増すはず。相手に大声援が送られる“ホーム感”は警戒ポイントになるが、終盤にギアを上げられるのも横浜FMの強み。失点を回避しつつ落ち着いてゲームを運びたい。
[ 文:大林 洋平 ]