リカルド ロドリゲス監督は、「大邱FCと山東の試合を見ているときに、他グループの経過を見ながら」グループステージ突破を知ったという。「7ポイントと8ゴールに届くチームは多くはなかった」と確信したらしい。前節を終えたのち、そのままブリーラム スタジアムに移動して試合を見ていたとのことで、そのバイタリティーには恐れ入るばかりだ。
一方で、「(28日の)朝起きてからニュースなどを見て知った」(西川 周作)と、計算が複雑なことから、試合当日のうちはチーム内で確信を持てていなかったらしい。28日午後のミーティングで情報が共有されたとのことで、複雑なレギュレーションがもたらした微笑ましい一幕だった。『グループ4位との対戦を計算しない』などの複雑なレギュレーションに振り回されながらも、最後はそれを最大限に生かして突破を決めた。
こうして、最終節は事実上の消化試合に。リカルド ロドリゲス監督は「1位の可能性を狙いながら」と前置きしつつも、「ここまで出場機会を得られなかった選手たちの起用も考えている」と、チームとしてさらに底上げを狙っていく構えだ。
今大会に帯同している選手のうち、出番を待っているのがGK牲川 歩見、工藤 孝太、木原 励の3名。リーグ戦も含めて今季はまだ出番がないが、牲川は「GKというポジションは1つしかないので難しい部分はあるが、しっかり準備し続けてチャンスを待ちたい」と牙を研いでいる。すでに西川、鈴木 彩艶がジョアン ミレッ新コーチ効果を体現しているが、第3の男も浦和デビューを飾る可能性がある。
そして木原は、タイに来てからのトレーニングではゴールを量産しているとのこと。沖縄キャンプでも発揮していた裏抜けのセンスやゴール感覚を初めて目撃する場は、ブリーラムの地になるかもしれない。
さらに、CB陣はアレクサンダー ショルツと岩波 拓也が連続出場を続けているため、そろそろ休ませたいところだ。工藤にも十分チャンスがあり、昨季その片りんを披露したビルドアップ能力にどれだけ磨きがかかっているのか確認したい。
若手にチャンスを与える選択肢がある一方で、チーム全体のさらなる進化も目指していきたい。指揮官は「この大会を通じて、チームとしての考え方、アイディアなどが共有されて理解が深まった」と述べ、西川も選手の距離が縮まったと感じていた。
一方、山東泰山のユー ヤンウェイ監督は「浦和は強いチームだが、ベストを尽くす」と語り、ルー ヨンタオも「最終戦なのでベストのパフォーマンスを出したい」と意気込んだ。彼らも素晴らしい経験をこの大会で積んでいる。
リカルド ロドリゲス監督はグループステージの締め方について、「良い試合をして勝つことが大事だが、自分たちの目標を厳しく設定しながら、自分たちを追い込んで高いものを目指したい」と言及した。チームのすべてを向上させ、そして勝利を。大団円でこの“ACL合宿”を締めくくりたい。
[ 文:沖永 雄一郎 ]