吉田 孝行監督の就任以降、一時はJ1残留圏内まで浮上したものの、そこから停滞期に突入。JリーグYBCルヴァンカップを含めて勝てない試合が続いた。それでも、アグレッシブな戦い方で直近のリーグ戦だった明治安田J1第25節・札幌戦に快勝すると、同じメンバーがそのまま先発出場した18日のAFCチャンピオンズリーグラウンド16・横浜FM戦でも躍動感を発揮した。
前線からの積極的なプレッシングで横浜FMにリズムを出させず、飯野 七聖が先制ゴール。直後に追いつかれたものの、前向きなエネルギーに陰りは見えず、相手のハンドで得たPKを佐々木 大樹が決めて再びリードを奪う。後半は相手の猛攻にさらされたが、戦うメンタリティーを維持した神戸は途中出場の小田 裕太郎が試合を決定づける3点目を決める。90分に2失点目を喫したものの、このまま神戸が勝ち切っている。
J1で首位につける相手から、真っ向勝負でつかみ取った勝利。これはチームに確かな自信をもたらす大きなものになったことだろう。吉田監督は「Jリーグ首位のチームなので、多少やられることは覚悟していました。それでも選手たちは前に行く姿勢を忘れずに最後まで戦ってくれました。結果が出て良かった」と胸をなでおろしつつ、戦い抜いた選手に労いの言葉を贈った。
準々決勝にコマを進めた神戸だが、20日のドローで対戦相手が全北現代に決まった。言わずと知れた韓国の強豪クラブだ。
その全北現代はラウンド16で激闘を演じた。同じ韓国の大邱と対戦し、延長戦に突入する耐久戦で勝利を収めている。5バックで引いて守る相手に対し、カウンターの脅威にさらされる場面もあったが、ボールを保持しながら攻略法を探り続け、延長後半のアディショナルタイムに決勝ゴールを挙げて2-1で競り勝っている。
現在Kリーグ1で2位につける全北現代は、大邱戦でゴールを決めたソン ミンギュ、キム ジンギュら若手有望株をはじめ、キム ボギョン、キム ジンスなどJリーグで活躍した実績豊富なプレーヤーも名前を連ねる。ベトナムで集中開催されたグループステージ・横浜FM戦でゴールを決めたスタニスラフ イルチェンコはFCソウルへ移籍したものの、同ステージでは新型コロナウイルス感染症の陽性反応のため出遅れたグスタボも大邱戦ではメンバー入りし、途中出場している。
大邱戦では[4-2-3-1]のシステムを採用したが、[4-4-2]など複数のシステムを併用し、ボールを保持することが基本的スタイル。ただ、横浜FMとのグループステージでは守備に軸足を置いてゲームコントロールするなど、状況に応じて柔軟な戦い方ができる試合巧者の一面も大きな特徴だ。
神戸とすればここ最近の試合で発揮している激しさを継続することは必須事項。前線のプレスと後方の連動、攻守の素早い切り替え、球際への鋭い出足や強度へのこだわりなど、ハードワークは大原則となる。試合中には難しい局面が多々訪れることは必至。チームとして辛抱強く戦いながら勝機を手繰り寄せ、2年前に惜しくも敗れた準決勝の舞台に返り咲きたい。
[ 文:小野 慶太 ]
