浦和はラウンド16を5-0の大勝で突破し、明治安田J1での好調をACLにうまく持ち込むことができた。さらに早期にリードを奪ったことで、ハーフタイムに3枚代えを敢行。伊藤 敦樹ら主力の数名は45分の出場にとどまり、極めて消耗が少ない状態でもある。
日程の都合上、全北現代または神戸との対戦となった場合は、中2日と中3日のインターバル差が生じることになっていたが、パトゥムユナイテッドは浦和と同じ中2日。リカルド ロドリゲス監督も「こういう短期の決戦では1日の休みの違いが大きく関わってくる」と懸念していたポイントだっただけに、公平な条件となったことはお互いにとって良いことだった。
それだけに、出場したメンバーをいかに回復させるか、また回復具合をどう見極めて選手を入れ替えるかが大きなポイントとなる。お互いに相手のやり繰りが気になるところだが、抽選が終わってすぐに手倉森監督は「お互いに大勝したからメンバーは変えないだろう?」と話しかけ、さっそく探りを入れて駆け引きを仕掛けていた。
浦和としては25日の準決勝も見据えたいところだが、あまりメンバーを落とすわけにもいかない。パトゥムユナイテッドはグループステージで神戸と接戦を演じていた傑志を4-0で一蹴して勝ち上がっており、決して侮ることのできない存在だ。タイ勢初のACL8強入りを果たし、いままさに歴史を築いている彼らは士気も高い。
連戦ではあるが、あと2試合と割り切ってくる線も考えられる。よほどのアクシデントがなければ、浦和はJDT戦とほぼ同じメンバーで臨む可能性が高いのではないか。そして純粋に勝利を目指す以外にも、Jリーグクラブとして、埼玉スタジアム2002を本拠地とするクラブとして全力が求められる理由がある。手倉森監督はこうも語っていた。
「選手たちも、『Jリーグのチームとやりたい』、『ホームスタジアムの浦和とあのサポーターの前でやってみたい』と話をしていたので、思いが伝わった結果になった。映像でBGのファンやタイの国民も見られると思うので、Jリーグの、浦和レッズの雰囲気が文化として良い刺激になればいいなと思う」 期待を裏切らないためにも、ピッチの上だけでなく、スタジアム全体で浦和が浦和であることをどこまで示せるか。これはそういう戦いでもある。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
