チームの前に幾度となく立ち塞がってきた韓国の蔚山は今大会も同グループに入り、チャナティップが在籍するパトゥムユナイテッドと対戦することにもなった。初戦の相手は、前回大会も同グループで、1位抜けを許したJDT。マレーシアのクラブで、近年力を急速につけてきた強豪である。マレーシアで集中開催された前回大会のグループステージで、川崎FはJDTと1勝1分、蔚山と1分1敗という成績を残し、グループ2位で敗退している。
「悔しい思いが残っている」 車屋 紳太郎も正直な思いを吐露した。今回は、そのリベンジを果たすためのグループステージとなる。
JDTはC大阪や仙台などでもプレーしたヘベルチ、ベルクソンといった強力なブラジル国籍選手を擁するだけでなく、マレーシア代表がズラリとそろう。その代表選手も、バレンシアやセルタなどでプレーしたナチョ インサら、スペインやオーストラリアから帰化した選手などがおり、多国籍軍と言える。このところ出場機会を得ていないが、セリエAやイングランドのEFLチャンピオンシップで活躍していたU-21イタリア代表歴を持つFWフェルナンド フォレスティエリは川崎Fを苦しめた選手だ。さらに今季、ポルトガルのカーザ・ピアから邦本 宜裕が加入。デビュー後、その左足で早速結果を残して主力の1人となっている。
国内リーグでは今季20勝1分。得点82、失点7と圧倒的な力を誇示し続けるマレーシアの超強豪だ。
前回大会では川崎Fとの1戦目を0-0、2戦目は0-5で敗れており、リベンジに燃えているはず。
鬼木 達監督はそのJDTについて、「相手は力のあるチームで、攻撃的。普段はほとんど守備をしていないチームだと思うので、(自分たちが)攻撃的になれるかどうかが重要」と展望した。そのとおり、5得点を挙げた前回対戦では、0-0と引き分けた際に苦しんだのとは打って変わって攻撃姿勢を強め、前半のうちに3点を奪取。脇坂 泰斗の先制点と小林 悠の2得点でゲームを決めた。同様の試合展開を見せたい。
また、今季加入した瀬川 祐輔は、柏時代の2018年にACLに出場しており、得点も挙げている。「ACLは自分たちの価値を示す舞台。ACLのグループステージ突破のために活躍したい」と述べていた。
そして、今夏の新戦力・バフェティンビ ゴミスにも期待がかかる。チョン ソンリョンと同じく、ACL制覇の経験がある元フランス代表。サウジアラビアのアルヒラル所属時、ACLでは20得点を挙げてきた実績のあるストライカーだ。リーグ前節・FC東京戦で加入後初出場を先発で飾ると、得意のポストプレーからチャンスを演出。試運転を済ませている。
今回戦うスタジアムで戦った経験のある選手も多く、相手の熱狂的なサポーターにもひるむことはないだろう。
まだ見ぬACLの頂点への再チャレンジ。川崎Fの「価値を示す」ための戦いがスタートする。
[ 文:田中 直希 ]