高揚感がポジティブな感情を生み出し、リーグ戦の都合の悪いことを忘れさせてくれるが、メルボルンシティの情報は非常に少ない。篠田 善之監督は「メルボルンシティは思っていたよりも強いチームだと感じている。クオリティーが高い選手もいるし、スピードも高さもある。カップ戦で勝ち進んでいて、試合ごとに良くなっている印象。対戦相手のレベルがそれほど高くないので評価が難しいが、ボールを握ることができる選手がいるチームだと思う。われわれは帰国後に清水とのリーグ戦がアウェイであるので、フレッシュな選手で臨めればいい」と話している。オーストラリアにスカウティングに行っているわけではなく、試合映像を見てのスカウティングということで、分析のスタッフも普段のリーグ戦とは勝手が違うが、それは相手も同じ。“まずはやってみましょう”ということになるし、現場は呑気ではないと思うが、観る側は相手のことがよく分からないことも楽しみの1つになっているくらい。
1試合にエントリーできる選手はMAX23人だが、甲府は20人でメルボルンに向かう。もう3人多く連れていきたいが、予算の都合もあり、帰国後のリーグ次節・清水戦が13時キックオフなので、移動で疲れさせたくないという考えも入っている。直行便がない曜日なので、往路は甲府の選手寮をバスで出発してからメルボルンのホテルに着くまで約25時間かかるエコノミークラスの長旅で、膝や腰に不安がある選手には移動だけでもストレスになる。篠田監督は「ブラジルよりも遠い」と笑う。
誰がメンバーに選ばれているのか、正確には分からないが、リーグ前節・東京V戦(1△1)のスタメンはほぼ外れ、ベンチスタートの選手とメンバー外の選手ではないかと推測できる。東京V戦でスタメンだった選手を使わずに勝てれば素晴らしい結果だが、ここでスタメンのチャンスをもらう選手がどれだけ魅せてくれるかは楽しみ。日本代表ではないが、こちらも“プレゼントされたスタメン”ではないはずなので、リーグ戦でチャンスをつかめなかった悔しさをぶつけて結果で示す試合にしたい。
キャプテンの関口 正大は「初めてのACL。長い距離の移動があるが、試合に勝つことを含めて、100%で向かっていける準備をする。選手だけではなく、スタッフも含めた全員で向かっていきたい。個人としても初めての国際大会なので、挑戦できることは素晴らしいチャンス。ものすごい経験。J1の選手でもなかなかできることではない。ACLに臨めることの幸せをプレーで表現したい」と話す。この言葉どおり、多くの選手が初めてとなるACL。アジアで価値の高い公式戦を勝利でスタートしたい。
[ 文:マツオ ジュン ]