しかし、ネガティブなコメントが並びつつも、どの選手も最後は上を向いていた。まだリーグ戦は終わっていないし、それ以外にも大きなコンペティションに勝ち残っている。
「切り替えて次に向けてやっていかないといけません。それぐらいの試合数がまだ残っていますし、それぐらいの価値のある大会が僕らにはまだ残っています。あきらめるのは簡単ですが、あきらめたくないので頑張ります」(酒井 宏樹) 「残念がってばかりはいられませんので、前を向かなければいけません。今季はまだまだ、いろいろな良いことに手が届くところにいます」(アレクサンダー ショルツ) ここからはしばし、別の戦いが続く。残るリーグ戦を良いものにするためにも、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)とJリーグYBCルヴァンカップでチームを高めていきたい。まずは、浦和にとってリーグタイトルと同等以上の価値のある、アジアの戦いに舞い戻る。
対するハノイは、ベトナム屈指の強豪だ。2006年に創設されると、3年連続で昇格を果たして国内トップリーグに到達。2010年にはそのVリーグ1初優勝を果たし、合計で6回の優勝を誇る。ただ、ACL本戦は今回が初出場。これまでは幾度となくプレーオフの壁にはね返されており、今回は出場枠拡大(2021年以降)の恩恵を生かしてのストレートインとなった。
初戦こそ浦項に2-4で敗れたものの、その実力は侮れないものがある。普段のVリーグ1は外国籍選手枠が少なく、帰化選手の枠も厳しく制限されているが、ACL本戦出場決定を受けて9月に緊急補強を実施。カメルーン国籍のジョエル タグウ、元U-23オーストラリア代表のブランドン ウィルソン、直前までフランス2部でプレーしていたダミアン ル タレクらを獲得して戦力アップを図っている。
浦項戦では、ジョエル タグウが俊敏な動きで2ゴールを挙げており、エースストライカー・カイオンのパワーと合わせて警戒したい。また、デンマーク時代にアレクサンダー ショルツと対戦経験のあるミラン イェヴトヴィッチのサイドからのクロスにも注意が必要だ。
ただ、そうは言っても、確実に勝利が求められるクラスの相手でもある。守備組織はそれほど整っていないが、基本フォーメーションが[5-4-1]([3-4-2-1])のため、浦和が苦手とする5バック攻略の糸口にもしたい。初戦をアウェイで引き分けたため、ホームではきっちり勝点3を確保することが求められる。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
