初のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場ながら2試合を終えて1勝1分の甲府は、初めて中国のクラブ・浙江FCとアウェイで戦い、多くのチャンスは作ったものの決め切れずに0-2で敗れた。甲府は前節・ブリーラム戦を最後に戦線離脱していた
ピーター ウタカが1トップに復帰。一方、浙江FCの前線を見ると、新潟や浦和などで活躍したレオナルドが、前節・メルボルンシティ戦では先発だったが今節はベンチスタート。それでも、前節はベンチスタートだったニャシャ シェクウィがスタメンで、攻撃陣の層の厚さを感じさせた。
9,427人が入ったスタジアムの雰囲気は、アウェイでの前々節・メルボルンシティ戦で甲府が感じたものとは違って、浙江FCサポーターが作る雰囲気には迫力があった。それに気圧されることはなかったと思うが、立ち上がりはバタバタした内容で、6分にCB
神谷 凱士がイエローカードをもらってしまう。直後にはもう1人のCB
蓮川 壮大のクリアがアウトサイドにかかってCKを与えてしまう。このCKの場面、浙江FCはファーサイドで長身選手が3人縦に並んだ。甲府もゾーンの中で当然警戒していたが、一番後ろのルーカス ポッシニョロに頭で決められてしまった。
ビハインドを負った甲府は、トップ下の
飯島 陸や左ワイドの
ジェトゥリオが前線からのプレスで何度もボールを奪いチャンスを作るが、それを決定機につなげることができない。これはリーグ戦の課題でもあるが、もう1本のパスをつなげなかったり、ボールをキープする技術かパワーが不足したりしてシュートに至らない。それでも11分には
ジェトゥリオが左サイドでボールを奪い、そこから中央の
ピーター ウタカに合わせるが、緩いシュートとなってしまった。
25分には失点シーンと同じようにCKからヘディングシュートを打たれる。これは左に外れたが、浙江FCの高さやワンチャンスで決め切る自信を感じさせられた。中国スーパーリーグで上位に入るクラブだけあって、外国籍選手の質は高く、ニャシャ ムシェクウィなどはアバウトなボールでもキープするか、ヘディングで味方に落とすフィジカルの強さと技術があった。一方、ケガから戻ったばかりの甲府の
ピーター ウタカは守備での貢献度が低く、前線での質はときおり見せるが強さはなかった。何より、33分にGKジャオ ボーとの1対1を決められなかったことは痛かった。
0-1で迎えた後半、甲府の篠田 善之監督は運動量を惜しみなく使って攻守で貢献した飯島を下げてクリスティアーノを投入する。クリスティアーノが
ピーター ウタカをダイレクトに生かしたことで、
ピーター ウタカに対する印象も変わる。53分には
ピーター ウタカが左サイドから
ジェトゥリオに決定的なボールを入れるが、
ジェトゥリオの動き直しの反応が遅れ、シュートを打つ前にジャオ ボーに反応されてしまう。こういったチャンスメークも
ピーター ウタカの魅力だが、
ピーター ウタカも
ジェトゥリオも決定機を決められずで残念な試合になってしまった。
そして、チャンスを逃し続けるとそれは相手にやって来るもので、58分にニャシャ ムシェクウィに裏を取られて失点。ここからは浙江FCがリスクの少ないサッカーに切り替える。甲府はスペースがない中でも相手のミス誘い、82分に途中出場の
内藤 大和がヘディングシュート。その後もクリスティアーノが惜しいミドルシュートを打つなど決定機は作るが、決まらない。消化不良の試合は結果的に1点も返すことができず、甲府は初めてACLで敗戦。ただ、順位は2位のまま。次節はホームに浙江FCを迎えるリベンジマッチが待っている。
[ 文:マツオ ジュン ]
ヴァンフォーレ甲府
DF 23
関口 正大
--ゲームが終わってどんな感情が湧いていますか?自分たちが警戒していたセットプレーと試合の入りでやられた。ACLのアウェイの戦いとしては一番最悪の展開というか、やってはいけない試合展開にした印象。 --その理由は?僕たちがフワフワしていたのもあるし、最初のセットプレーということもあって、もっと集中しないといけなかった。自分たちにスキがあった。 --中国に来て環境の違いや、アウェイスタジアムの圧などは影響しましたか?これが当たり前というか、ACLというのはたぶんそういうものだと思います。どんな環境でもどんな相手でも、勝点を持ち帰ることはやらないといけない。
MF 7
荒木 翔
--ケガで長い期間離脱していましたが、復帰初戦がACLでした。出場してみて感じたことは?たぶんオーストラリア(前々節・メルボルンシティ戦)とは違う雰囲気だと思う。これぞACL、なのかなと。このアウェイの感じは日本では味わえない雰囲気だし、前半が始まってすぐにオープンな展開になってバタバタしたというか、カウンター、カウンターという感じ。途中出場するときはチームを落ち着かせられればいいなと思っていました。最初は良かったけれど、ボランチに入ったときは少し距離感が遠くなって林田 滉也選手とのパス交換が少なかったし、内藤 大和選手や長谷川 元希選手に良いボールを供給できなかった。
DF 29
神谷 凱士
--勝てる試合だったと感じましたか?悪い流れで試合に入って、そこで失点したことでチームとしても個人としても難しい展開になった。そこで立て直せるかは自分たち次第だったので悔しいです。 --具体的にどんなところが問題だと思いましたか?相手はやりたいことをやって、自分たちのやりたいことはカウンターだったり……。自分たちの強みですけど、自分たちで回しながら、ポゼッションしながらどんどん前に行くことがなかなかできなかった。