JリーグYBCルヴァンカップ決勝・福岡戦、前節・浦項戦を含めて、4試合連続の複数失点。しかも、直近の明治安田J1第33節・福岡戦は3失点を喫した。連続での複数失点は明治安田J1開幕2戦、7月16日のJ1第21節・C大阪戦と8月2日の天皇杯ラウンド16・名古屋戦以来で、3失点はその名古屋戦以来。リーグ戦では今季初となる。
堅守を誇った浦和が、一体どうしてしまったのか。リーグ前節・福岡戦後にその理由を問われたアレクサンダー ショルツは沈痛な面持ちで思案を巡らせた。
「勝てなかった試合、残念な結果の積み重ねからだろうか」 「今季はとても長かったし、プレッシャーもまだある。いろいろなことが重なっていると思うが、それを言い訳にはできない」 「シーズンを通じて、われわれは相手が得点することが難しいチームだったが、いまは簡単になっている」 アレクサンダー ショルツとともに後方中央を支えてきた、マリウス ホイブラーテンも表情は冴えない。
「今日(リーグ前節)はあまり、メンタル的に強くなかった。常に良い時間帯と悪い時間帯があるけど、その時間帯に地に足をつけなければいけない。今日は悪い時間帯にもろいところがあった」 長い長いシーズンにようやく終わりが見えてきたことに合わせて、力尽きようとしている感もある。試合途中から主導権を失ったチームについて、マチェイ スコルジャ監督は「時間が経過するにつれ、両チームのフィジカルの差が開いていったように感じた」と語った。
ルヴァンカップのタイトルを逃し、AFCチャンピオンズリーググループステージの突破が絶望的となり、リーグ優勝の可能性もついえた。一度に複数の目標を失ったチームに、マチェイ スコルジャ監督の今季限りでの退任、という発表が追い打ちをかけた。もう一度立ち上がれというのも酷な話かもしれない。
しかし、希望もなくはない。リーグ前節は関根 貴大、荻原 拓也が負傷から復帰したが、稼働時間は限られ本調子ではなかった。マチェイ スコルジャ監督は「戻ってきた選手のコンディションはさらに上がってくるので、次の試合はより良い状態になると思う」と期待を寄せた。
グループステージ突破のためには、浦和が2連勝かつ大量得点を挙げた上で他グループの結果が有利に働くこと、とりわけほかの日本勢の勝利を祈る必要がある。可能性は薄いと言わざるを得ないが、ともかくも目の前の試合に勝利するしかない。
伊藤 敦樹の復帰はまだ難しいだろうが、リーグ前節は累積警告により出られなかった、精神的支柱である岩尾 憲は出場可能。いま一度チームのメンタル面を立て直し、攻守を整理して堅守を取り戻したい。得失点差を稼ぐ必要はあるが、まずはバランスを立て直すことだ。
今節も連戦となる浦和に対して、アウェイの地へ乗り込んでくるとはいえ、武漢三鎮(中国)は休養十分。体力的な優位はあるだろう。しかし、前節・ハノイ(ベトナム)戦では、ウェイ シーハオがラフプレーで一発退場。逆転負けのきっかけを作り、今節は出場停止となっている。相手も万全ではないだけに、是が非でも勝利をもぎ取りたい。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
