山東泰山のホーム・済南奥林匹克体育中心で行われた第1戦は、川崎Fが3-2で勝利。川崎Fにとっては押し込まれる時間帯も決して短くなかった。それでも、特に立ち上がりから20分過ぎまでの時間帯は、GKチョン ソンリョンの再三のビッグセーブで耐えると、ペースを握った時間帯にゴールを決め、常に先行する形で試合を終えた。
お互いに共通していることだが、90分を経て相手のやり方を把握したことはポジティブな要素だ。ただ、第2戦の山東泰山はおそらく、同点、逆転を目指して第1戦以上に前に圧力を掛けてくるだろう。
今大会からアウェイゴールルールがなくなったため、アウェイでの3ゴールは川崎Fにとって大きなアドバンテージとはならない。1点を許せば合計スコアは同点となり、先制を許すことは避けなければならない。
むしろ山東泰山が圧力を掛けてくるならば、その力を利用してしまいたい。後方からのビルドアップや、第1戦で良い関係を見せた脇坂 泰斗、山本 悠樹、橘田 健人の中盤を中心に川崎Fらしいパスワークで相手をいなしながら、1点を先に取り、相手の心を折りたい。
第1戦で左SBとして勝利に貢献した瀬川 祐輔は、ホームで戦えること自体を「大きなアドバンテージ」と話した。FUJIFILM SUPER CUP・神戸戦を戦った国立競技場を含めて、2試合ともにピッチ状態は必ずしも良質とは言えず、川崎Fの本来のサッカーを展開することが難しかった。それを言い訳にせずに2試合とも勝利したことこそが重要ではあるが、瀬川は「攻撃ではもう少し自分たちの時間帯を増やしたいし、そうすれば間違いなく勝てる」と力を込めた。
また、第1戦ではまるで何年も川崎Fでプレーしていたかのようなプレーを随所に見せた山本は、「等々力はピッチも良いと思うし、キャンプから積み上げてきたことをもう少しできると思う。アグレッシブなスタイルでプレーしなければいけない」と話しながら、「ホームで楽しい試合ができたら」と加えた。山本が目指す「楽しい試合」とはピッチでプレーしている選手だけではなく、観ている人たちにとっても同じことが言えるだろう。
川崎Fにとって公式戦3試合目にして今季初のホームゲーム。平日の17時キックオフと国内の試合では考えられない時刻から行われるが、等々力は“ホーム”の雰囲気を作ることができるか。中国で川崎Fの選手たちが独特の雰囲気にやりづらさを感じたように、山東泰山にプレッシャーを与えることができるか。常にそうではあるが、ACLの戦いは特にピッチとスタンドの一体感が勝利の大きなポイントになる。
第1戦の勝利はもちろん、FUJIFILM SUPER CUPでの今季初タイトル獲得を含め、今季の入り口からの視界は良好。クラブにとって過去最高であり、7大会ぶりのベスト8へ、川崎Fらしく突き進む。
[ 文:菊地 正典 ]