アウェイでの第1戦は、立ち上がりからハイレベルな攻防が繰り広げられる中19分、蔚山の質の高い攻撃から最後はイ ドンギョンに流し込まれて先制を許す。1点を追う横浜FMはバランスを崩しながら攻め込むも、アンデルソン ロペスが決定機を仕留められない。再三カウンターから蔚山に決定機を許すも、GKポープ ウィリアムがビッグセーブを連発してしのぐ。しかし、終盤にはヤン マテウスが絶好機を逸し、0-1のままタイムアップ。2戦の“前半”は蔚山に軍配が上がった。
「決め切れず、残念な結果にはなったが、まだ何も終わってはいない」 第1戦を終えた直後、ハリー キューウェル監督はこう前を向いた。さらに「内容は良かった部分が多かったし、支配もできていた」と語るように内容面で手ごたえもあった。あとは内容を結果にどうつなげるか。そのためにはゴールが必要で、ゴールを奪うためには最後のクオリティーを高めないといけない。名プレーヤーだった指揮官は言う。
「ゴール奪うことはサッカーで難しいプレーの1つ。その局面でどれだけ落ち着いてできるか。蔚山のGKも素晴らしく、仕留めるには日頃の練習から決め切ることにこだわることに尽きる」 横浜の地に戻ってから、前線の選手たちを中心にゴールへの嗅覚を研ぎ澄ませていることだろう。その鍛錬の成果に期待したい。
そして、クオリティーという観点では離脱しているエウベルの動向が気になる。12日時点でランニングを開始しており、それから2週間近くが経過。アクシデントがなければ、このビッグマッチに間に合う可能性も捨て切れない。異次元のクオリティーを持つ背番号7が復帰となれば、大きな追い風となる。メンバーリストに注目したい。
Kリーグ1を2連覇中の蔚山は前評判どおり、ポゼッションを軸に可変システムを使いこなす好チームである。その上、第1戦のように状況に応じて、意図的に受けに回った上でカウンターを狙うしたたかさも兼備する。ただ、勝てないと思わせる絶対的な強さかと問われれば、その答えは否。Jリーグでもプレーしたキム ヨングォンとファン ソッコの両CBにスキはある。事実、第1戦ではセットプレーでも甘さがあった。第2戦でも横浜FMに必ずビッグチャンスは訪れる。それを仕留め切ったとき、アジアのファイナルへの道が拓かれる。
[ 文:大林 洋平 ]