初戦のブリーラム(タイ)戦で引き分けた神戸は、ホームで行われた前節・山東(中国)戦で2-1の快勝。その試合で先制点を挙げるなど、攻撃のけん引役を務めたのは宮代 大聖だ。深紅の背番号9は「スカウティングで、けっこうマンツーマンで来ると聞いていたし、自分のところでどれだけ相手をはがしたり、テンポ感を出せるかにかかっていると試合前から思っていた。それがうまく出たのかなと思う」と振り返る。未知の相手との難しい90分だったが、吉田 孝行監督やコーチングスタッフの準備、そして選手の体現力がかみ合った価値ある勝利だった。
その上で宮代が語ったのは、今節の相手への強い警戒心。川崎Fに所属していた昨年、蔚山とはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループステージで対戦経験があり、「非常にうまくて堅くて粘り強い相手だと感じた。自分にベクトルを向けてしっかり臨みたい」と気を引き締めている。
韓国屈指の強豪クラブとして知られる蔚山は、今回のACLEこそ日本勢に開幕2連敗を喫しているが、今季リーグ戦も首位をひた走るなどその強さは折り紙つき。居並ぶメンバーも豪華絢爛で、GKチョ ヒョヌら韓国代表選手をはじめ、江坂 任、キム ヨングォン、ファン ソッコらJリーグでもなじみ深い多士済々な選手がそろう。
そして、中盤でゲームを管理するチョン ウヨンはかつて神戸に在籍。2018シーズンは吉田監督の下でもプレーしている。指揮官は「長いパスも出せるし、精度も高い。分析していても良い選手だなと思う」とあらためてその質の高さを警戒。彼からの配球を遮断し、相手に気持ちよくボールを動かさせないことは大きなポイントになるだろう。
新たにスタートしたACLEは2023-24シーズンまでのACLとは違う新たなレギュレーションのもとで実施されている。東西に分けて12チームで構成された各リーグステージは、同国クラブを除く8チームとそれぞれホームあるいはアウェイで計8試合を戦い、上位8チームが次のステージにコマを進める。首位・広島をわずか勝点1差で追う明治安田J1や天皇杯と並行して戦う中、指揮官や酒井 高徳は言葉をそろえる。それは「できるだけ早く突破を決めたい」ということだ。
「リーグ戦とかすべてを考えても早く突破を決めたほうが絶対に良い。蔚山はKリーグの首位のチームだし、強いチームだけど、アウェイでも勝ちにいくというのは絶対に大事」(吉田監督) 「とにかく早く勝点を重ねて突破する可能性を作ること。それがないとその上の話はできない。まずは1試合でも早く予選(リーグステージ)突破、という意気込みで臨みたい」(酒井) JリーグとKリーグのディフェンディングチャンピオンによるマッチアップ。宮代は「もちろん楽しみなのはある」と腕を撫した上で、強く言葉を寄せる。「もう1回、チームとして整理して挑んで、自分たちの流れにもっていきたい」。積み上げてきた“一戦必勝”の強さをアウェイでも存分に発揮する覚悟だ。
[ 文:小野 慶太 ]