ここまでの神戸は順調に勝点を積み上げている。開幕戦はアウェイでタイのブリーラムと対戦し、スコアレスドロー。続く本拠地での前々節・山東(中国)戦は2-1で勝利を収めた。そして前節はアウェイでKリーグ1を2連覇中で、今季のリーグ戦でも現在首位につけている蔚山(韓国)と対戦し、2-0で白星。2023シーズンのJ1王者として挑む、クラブ三度目のアジアの挑戦は試合を重ねるごとに力強さをみなぎらせている状況だ。
ただ、取り巻く環境には厳しさがある。熾烈な優勝争いを演じているリーグ戦や決勝に勝ち進んだ天皇杯など、次々に訪れる試合と向き合いながら進行中。10月以降は公式戦6試合を戦い、直近では11月1日に明治安田J1第35節・磐田戦を戦っている。
異なる大会それぞれで結果を出しながら進む神戸だが、モチベーションの持っていき方などに難しさがあるのではないか。しかし、扇原 貴宏は「そんなに難しい問題ではない」と言う。その理由は明快だった。
「チーム全員が良い準備をできている。良い選手がそろっているので、試合に出ている選手もポジションを奪われる可能性ももちろんあるし、危機感がある。リーグ(J1)の順位も良いし、ACLEもこれから上に行かないといけないし、天皇杯では決勝に進めた。(勝ち残っている)全部の大会で優勝を狙える位置にいるのは、すごくみんなのモチベーションにつながっている」 目の前の試合に出場する選手がそれぞれの役割をこなし、結果への強い責任感を抱きながら戦う。その姿勢こそ強さの源泉とも言えるだろう。
覇気をまとうように前進を続ける神戸の前に立ちはだかるのが、開幕3連勝で首位に立つ光州。これまでの3戦よりもさらに過酷な戦いが待ち受けることは確実だ。
その光州は開幕戦で横浜FMを7-3で下し、初めてのアジア挑戦で華々しいデビューを飾った。続く前々節では川崎Fを1-0で下し、日本勢に連勝。さらに前節・JDT(マレーシア)戦では3-1で勝利している。
特に警戒したいのは、アルバニア代表のヤシル アサニ。横浜FM戦ではハットトリックを決め、川崎F戦ではPKで決勝ゴールをマークした。さらに前節では2つのゴールを挙げるなど、大活躍中。正確なシュート技術を持つ29歳を止めることは、神戸が勝点3を得るために重要なポイント。同時に、光州はプレスが持ち味のチームであるため、ボールの動かし方など攻撃の狙いどころを明確にすることも大切になるだろう。
今節の結果次第では首位に立てる可能性があるが、神戸は何も変わらない。“吉田ヴィッセル”は目の前の試合での勝利を目指し、J1王者の高強度スタイルを存分にぶつけるだけだ。
[ 文:小野 慶太 ]