神戸は前節、首位に立っていた光州(韓国)と対戦。大迫 勇也や酒井 高徳、武藤 嘉紀、広瀬 陸斗と直近の明治安田J1第35節・磐田戦でダメージを負った選手らが欠場する中、フレッシュなメンバーも起用しながら首位撃破を狙う一戦に挑んだ。
そこで示したのはチームが育んできた圧倒的な“底力”。3トップには中央に佐々木 大樹、左にジェアン パトリッキ、右に飯野 七聖が入り、FWを兼務する左インサイドハーフは宮代 大聖が務める。彼らが始動役となる持ち前のハイプレスのエンジンは立ち上がりから全開だった。
パスワークを持ち味とする光州の良さをピッチから続々と消し、ディフェンスからペースを握り、いつ得点に結びつけるかという流れに。そして、その瞬間は前半終了間際のこと。飯野が鋭いプレスで相手DFを追い詰め、こぼれ球を宮代が拾う。ペナルティーエリア内で味方にパスを出したところ、相手の腕に当たってPKを獲得。宮代がACLE3戦連発となるゴールを決めて先制した。
アタッカー陣の躍動はなお続く。後半に入ると、ジェアン パトリッキが迫力のあるプレーを矢継ぎ早に見せていく。鋭い突破、巧みなターン、強い球際など攻守に存在感を見せると54分、井手口 陽介の正確な左サイドへの展開から、受けたジェアン パトリッキがサイドを突破。素早く送ったクロスに合わせた宮代のシュートはGKキム ギョンミンに阻まれるも、跳ね返りを佐々木が冷静に沈めた。
後方の守備も冷静だった。光州は1トップに入った選手が中盤に落ちるゼロトップのようなシステムを採用したが、神戸が混乱に陥ることはみじんもなかった。マークする選手に食らいつき、ボールの出どころを徹底して制限。相手が1つ飛ばしのパスで裏を狙ってきても、GK前川 黛也らが盤石の対応でピンチを未然に消す。最も警戒していた右ウイングの選手にも、対面の初瀬 亮が正確な対応で仕事をさせない。試合はこのまま2-0で決着し、神戸が首位に躍り出る結果となった。
ここまで3勝1分と確実にリーグステージ突破への階段を上っている神戸。対して、アウェイに乗り込むCCマリナーズは1分3敗と勝星から見放され、11位に低迷している。
ただ、前節・上海申花(中国)戦はチームに着実に勢いをつける試合だった。相手に2点を先行される難しい流れだったが、75分に1点を返すと、90+5分にベイリー ブラントマンが決めて劇的ドローに持ち込み、ACLEでの初勝点をつかんでいる。前節に加えて第2節・ブリーラム(タイ)戦、前々節・上海海港(中国)戦でも後半アディショナルタイムにゴールを挙げるなど、最後まで食らいつく執念は強烈。神戸としては集中力を高めて挑むことが最も大切な試合となる。
23日に国立競技場で開催されたG大阪との天皇杯決勝を制し、井出 遥也は「今日の優勝が次のACLE、リーグ戦につながる」と話す。それはチーム全体の総意だ。中2日の連戦となるが、神戸は“誰が出ても”その強さを誇示してみせる。
[ 文:小野 慶太 ]