今季から新指揮官に就任した長谷部 茂利監督は、この試合、この大会に向けた思いをこう語った。
「大会の途中で役を引き継ぐのは難しいですけど、ある意味では(今季の)開幕の試合ですから、前職の人である鬼木(達)前監督に感謝の気持ちを持って監督としては戦いたいです」 さまざまな難しさを理解した上で、指揮を執る覚悟である。
もちろん、新シーズンの開幕、新チームの初陣と楽しみな要素も多く含まれるゲームであり、選手たちの表情は明るい。昨季のチーム得点王であり、今季もエースの役割を担う山田 新は「いよいよシーズンが始まるなという感じです。公式戦は待ち遠しいですね」と話し、開幕前のチーム状況を明かした。
「攻撃も守備も整備されてきてすごく良くなってきていると思います。前回(昨季)もACLから始まって(ラウンド16で)負けてしまったので、今回はその経験を生かさないといけないと思っています」 シーズン初戦で20番を背負うストライカーにゴールが生まれれば、それはチームとしても個人としても最高のスタートとなる。
また、ディフェンスリーダーとして期待される佐々木 旭も「攻撃で良いシーンを作れるようになっているし、守備でもシゲさん(長谷部 茂利監督)のやりたいことはできてきているかなと思います」とここまでのチーム作りの充実感を口にする。その上で、浦項(韓国)を「空中戦はすごくパワーがあるし、キレイに崩してくるチームだと思うので、気をつけてやりたいです」と警戒。守備陣としては、無失点で終えたいところである。
さらなるブレイクスルーが期待される攻守の要がそれぞれチームを支え、引っ張っていってくれれば、自然と結果はついてくるだろう。
対する浦項は勝点9の5位につけており、今節で勝利を収めれば1つ上の順位の川崎Fと勝点で並ぶ状況。ホームで戦うこのゲームの重要性は分かっているに違いない。日本勢とはめっぽう相性が良く、ホームスタジアムの浦項スティールヤードではここまで8戦無敗。自信を持って積極的にゲームを運んでくることが予想される。
それでも長谷部 茂利監督は、その“ジンクス”を前向きに捉える。「初めてあのチーム、あのスタジアムで勝った、あの人が得点を取ったとか、そういうのが好きなんです。ぜひ、クリアしたいですね」。韓国の地で迎える、“長谷部フロンターレ”の初陣。いきなりの難局を乗り越え、力強い第一歩を踏み出したい。
[ 文:須賀 大輔 ]