まずは昨年から行われたリーグステージを振り返る。横浜FMは第1節で光州(韓国)に大敗したものの、第2節で韓国王者・蔚山を撃破して初勝利を手にすると、山東(中国)とのドロー劇を挟み、第4節・ブリーラム(タイ)戦以降はすべて勝利。今年に入ってからは第7節・上海申花(中国)戦を1-0、第8節・上海海港戦を2-0で制し、5連勝を飾って首位通過を果たした。その5連勝中は失点ゼロと盤石の戦いを見せたことは特筆すべき点だろう。
一方、リーグステージ全体で振り返ってみると、第8節を戦う直前に山東がACLEからの撤退を表明したことで、事態は混とんとした。第7節までの山東戦の結果はすべて無効に。総当たりではなくスイス方式で戦ったリーグステージは、各クラブの総試合数にバラつきが出た中で順位づけが行われ、本来であればリーグステージで敗退していた上海海港が繰り上がる形で8位に入り、ノックアウトステージに進出することが決まった。
ラウンド16はリーグステージ上位4チームに第2戦をホームで戦う権利が与えられるため、この第1戦は約2週間前にも戦った上海海港のホーム、浦東フットボール・スタジアムで開催される。相手は大会のレギュレーションに則ったとはいえ、“棚ぼた的”にラウンド16の切符を手にした側面が拭えず、心理的に余裕のある状況で臨めるのは警戒ポイントになる。
すでに対戦済みでお互いの手の内は分かっていることに加え、横浜FMにはケヴィン マスカット監督が重用した選手も数多く残っているため、なんらかの策を立ててくることは想定できる。横浜FMがそれらの要素を踏まえた上でどう戦うかが見どころの1つとなる。
第1戦を180分の“前半”と捉えれば、“引き分けOK”だろう。ただ、横浜FMは今季、守備をベースに戦っており、いわば一発勝負のトーナメント向き。その守備からゲームを作った上で、スキを見て一刺しできる状況は生まれるかもしれない。上海海港の両SBの位置取りは高く、横浜FMとしては守備から攻撃へ切り替わった瞬間にそのスペースを活用できれば、得点の可能性は高まるだろう。
浦和などで活躍したレオナルドとグスタボの2トップはポテンシャル十分だが、レオナルドは今季加入したばかりで、連係はいまひとつ。中国王者を軽視することは厳禁だが、元ブラジル代表のオスカルが抜けた穴は大きく、過剰に警戒する必要もない。うまく立ち回れば、先勝して優位な状況で第2戦を迎えることも望外ではない。
[ 文:大林 洋平 ]