昨年の9月に開幕し、今年の2月にまでまたがって開催されたAFCチャンピオンズリーグエリートリーグステージの8試合を6勝2敗(中国の山東が最終節直前に大会を棄権。大会規定により、山東のリーグステージにおけるすべての結果が無効となるため、公式記録は5勝2敗)で終え、2位でノックアウトステージに進出した川崎Fが、ラウンド16で激突するのは、中国の上海申花となる。実はその上海申花は、リーグステージで敗戦を喫したチームの1つ。対戦したのは昨年10月であり、そこからチームは新体制になっているため、気にし過ぎる必要はないだろうが、リベンジマッチと位置づけていいゲームだろう。約4カ月ぶりに乗り込む上海スタジアムで勝利を収めて記憶を塗り替えたい。また、ホーム&アウェイの2戦合計のスコアで決着をつけるレギュレーションを考えても、アウェイでの第1戦の重要性は言うまでもない。勝利を目指しつつ、1週間後に控えているホームでの第2戦に良い形でつなげたいところだ。
チーム状況を整理すると、2月のシーズン開幕から数えて、この試合が公式戦7連戦の7試合目となる。3月1日に行われた明治安田J1第4節では京都に0-1で敗れ、今季の公式戦で初めて無得点、そして敗戦となったが、それまでは4勝1分と勝星を積み重ねてきており、状態は悪くない。その京都戦後には長谷部 茂利監督も「水曜日に向けてもう1回気持ちを整理して、挑んでいきたい」と切り替えを強調しており、この敗戦を引きずることはなさそうだ。
コンディション面を見ても、京都戦では今季ここまで出場時間が長かった選手をある程度温存することはできた。またそれに伴って、復帰明けの選手や出場時間が少なかった選手がピッチに立ち、試合勘を養うこともできた。そして、試合後にはそのまま上海に向けて移動し、試合3日前となる2日には現地に入るなど、クラブ一丸で万全の準備を整えている。
10月の前回対戦を振り返ると、前半開始早々に
マルシーニョが退場し、数的不利を強いられたエクスキューズがあるだけに、正直どのくらい参考になるかは分からない。ただ、上海スタジアムのピッチコンディションや空気を経験しているメリットは大きい。季節が異なるため、気候の部分での適応力は求められるが、アウェイ独特の雰囲気を経験していることはアドバンテージである。
上海申花で警戒するべき選手に挙げられるのは、かつて横浜FCで約2年間プレーしたサウロ ミネイロだ。今年からチームに加わったブラジル国籍ストライカーは、リーグステージの最終節となった神戸戦に出場し、ハットトリックを達成している。今回の試合でも日本のチーム相手に気迫を前面に押し出して向かってくることだろう。川崎Fとしては、スピードとフィジカルが自慢の点取り屋をどのようにして止めるかが、大きなカギとなりそうだ。
悲願のアジア“青”覇へ、ノックアウトステージでの戦いがここから始まる。始動して約2カ月、早速、“長谷部フロンターレ”の真価を見せるときである。
[ 文:須賀 大輔 ]