120分を戦ったアル・サッド(カタール)との準々決勝に引き続き、アル・ナスル(サウジアラビア)との準決勝もタフなゲームとなった。開始10分に伊藤 達哉のスーパーボレーで幸先よく先制点を奪うと、28分にサディオ マネの個人技から同点に追いつかれてしまうが、41分に大関 友翔のゴールで勝ち越し、76分には途中出場のエリソンと家長 昭博の2人で3点目を奪取。理想どおりのゲーム展開を見せた。
しかし、終盤になって押し込まれる時間が長くなると、チームは窮地に追い込まれていく。87分にアイマン ヤハヤにミドルシュートを決められ、1点差に迫られてからはまさに防戦一方。最前線のクリスティアーノ ロナウドにボールを集める相手に押し込まれていった。ただ、この日の川崎Fの集中力は素晴らしく、瀬戸際で体を張ってゴールを死守。後半アディショナルタイムにはゴール前でFKを与えてしまうが、クリスティアーノ ロナウドの強烈なシュートはGK山口 瑠伊が右足一本でセーブ。1点のリードを守り切り、ファイナル進出をつかみ取った。
再び中2日で臨む決勝に向けて、選手たちの疲労はピークに達するどころか、通り越しているだろうが、その中でも準々決勝と準決勝の2試合では選手をうまく入れ替えながら戦い、特に中盤と前線の選手の数名はプレータイムを分散させることができた。また、疲労があるとはいえ、あと1つ勝てばアジアチャンピオンになれることもあり、表情は明るい。目の前の試合に“ベストメンバー”を起用することをポリシーとする長谷部 茂利監督が、決勝の舞台へどのようなメンバーを送り込むかに注目したい。
今季就任したときから、このアジアタイトルを大きな目標の1つに掲げていた指揮官は、決戦を前に、いつもの落ち着いた口調ながら強い意気込みを述べた。
「1位と2位ではその意味が大きく違うと思っています。『2位になれたから良かったね』と言ってくれる人もいますけれど、タイトルを獲る、獲らないでは大きな違いがあります。それはどのスポーツにおいても、どの競技においても1位と2位は大きく違うように、漏れることなくサッカーも違うと思うので、そこは選手にもスタッフにも認識してもらいたいと考えています」 前身のAFCチャンピオンズリーグ時代から数えて11度目の挑戦で、初めてベスト4のステージに到達。勢いそのままに駆け抜けて、決勝までたどり着いた。初出場の2007年から数えれば18年越しの晴れ舞台だ。
相手のアル・アハリ・サウジはサウジアラビアのジッダをホームとしているチームであり、今回の会場であるキング・アブドゥラー・スポーツシティ・スタジアムは本拠地。完全アウェイの雰囲気が予想される中、それをはね返し、“長谷部フロンターレ”はクラブに関わるすべての人の力と思いを結集させ、頂に立ってみせる。
[ 文:須賀 大輔 ]