「最後に源が取ってくれて良かったです。勝ち切ってマレーシアに向かうのと、引き分けで向かうのではだいぶ違いますから、源に感謝したいです」 久しぶりの勝利の余韻が残る中、チームは岡山戦後の夜に日本を出発。黒田 剛監督を筆頭としたコーチングスタッフや岡山戦に出場した選手たちの負担を少しでも軽くするために、クラブは全面的にサポートする形でフライトの準備を整えたという。そうしたクラブの心意気は、選手たちの発奮材料につながるはずだ。
チームはFCソウル(韓国)とのリーグステージ初戦でACLEのスタンダードを体感したとはいえ、クラブにとっても、アジアにおけるアウェイでの公式戦は初めての経験だ。高校サッカー界出身の黒田 剛監督も岡山戦後の会見で「私自身が初めての経験であるため、経験を積んでいる選手たちから学びながらチームをマネジメントしたい」と語るほどだった。また、町田のACLE初参戦と同様に、アジアの公式大会を初めて経験する選手たちは「実際にアウェイゲームを体感してみないと分からないことも多いと思う」(前 寛之)と身構える。その点、日本代表での海外遠征の経験も豊富な谷 晃生は、アジアでのアウェイゲームに向けた準備に関してこう語っている。
「移動もある中でアウェイの気候や気温に慣れるには日にちは足りないですが、交代メンバーを含めての戦いになります。まずはピッチ状態や天候に惑わされることがないように良い準備をする必要がありますし、いろいろなことを想定しておくのは大事だと思います」 対戦相手のジョホールは、リーグステージ第1節でタイのブリーラムとのアウェイゲームを1-2で落としている。痛恨の黒星スタートとなったが、今節はホームゲームであるため、まったく別のチームと捉えたほうが得策かもしれない。鹿島やG大阪でAFCチャンピオンズリーグを経験している昌子 源は「ホームではとんでもない力を発揮してくるチームもあった」と振り返った。今節のジョホールはホームで戦えるぶんも、きっと厄介な相手だろう。
町田としては、10月4日に控えているアウェイでのJ1第33節・広島戦が、J1優勝戦線の生き残りを懸けたビッグマッチと言っていい。そのため、広島戦を見据えたスタメン起用も視野に入る中、岡山戦では相馬 勇紀や望月 ヘンリー海輝といった代表クラスの選手がベンチから出番を待った。なお、途中出場で勝利の機運を高める仕事を果たした望月 ヘンリー海輝は「90分出た選手に比べれば、体が動く状況。出た際にはよりタフに頑張りたい」と口にしている。岡山戦が累積警告による出場停止だった前 寛之を含め、比較的フレッシュなコンディションで臨める選手たちが、チームの命運を握っていると言っても過言ではない。
[ 文:郡司 聡 ]