クラブ史上初参戦中のAFCチャンピオンズリーグエリートでラウンド16まで進出している町田は、8強進出チームが集う“ファイナルズ”まであと1試合を残すのみとなった。町田か、韓国の江原か。勝ったほうが次のステージに進める町田ホームでの第2戦に向けて、クラブは『共に、アジアの頂まで。』というスローガンを掲げながら、ファン・サポーターに向けて“共闘”を呼びかけている。試合当日は、会場の町田市立陸上競技場が興奮の坩堝に包まれるかもしれない。
「ノックアウトステージは別世界」(中村 帆高)とかつてのAFCチャンピオンズリーグ経験者が語っていたように、アウェイでの第1戦は、リーグステージで3-1と快勝していた相手に苦戦を強いられた。Kリーグ1が開幕したばかりの相手は、特に80分頃から前傾姿勢を強め、途中出場のアブダラ ハライハルを中心にゴールに迫ってきた。88分にはアブダラ ハライハルの鋭いシュートが町田ゴールを襲ったが、守護神の谷 晃生がビッグセーブを見せて失点を阻止。無念にも勝利には届かなかったが、最低限のスコアレスドローで第2戦でのラウンド16突破に可能性をつないだ。
必勝態勢で臨む第2戦の注目点は、ダブルボランチの人選。第1戦のダブルボランチは、下田 北斗と今季公式戦初スタメンの前 寛之の組み合わせだった。「試合に出る、出られないは自分で決められないので、良い準備をすることを心がけていくだけ」と本人が言うように、最善の準備を尽くした前 寛之は、アウェイで出色のパフォーマンスを披露。特に「最近のヒロくん(前)は危機察知能力が上がっている」と増山 朝陽も目を細めるその能力を存分に発揮し、相手の攻撃に対して危険な芽を摘んでいた。また、前 寛之の相棒を務めた下田 北斗も、直接FKから結果的に中村 帆高の絶好機を演出。町田のストロングポイントであるセットプレーのキッカーとしての輝きを放っていた。
前 寛之、下田 北斗コンビに触発された選手たちがネタ ラヴィや白崎 凌兵だ。また、スタメンを送り出す黒田 剛監督を筆頭としたコーチングスタッフにとっては、うれしい悲鳴だろう。第1戦直前の公式戦にあたる明治安田J1百年構想EASTグループ地域リーグラウンド第4節・千葉戦で活躍したネタ ラヴィや白崎 凌兵、そして前 寛之や下田 北斗を含めたボランチ勢の中から、第2戦のダブルボランチを組む選手は誰になるか。指揮官の最終的な人選に注目だ。
新シーズンが開幕する前の名護キャンプでのこと。陣頭指揮を執るコーチングスタッフは、実際の練習の中で準々決勝以降の“サウジ・ラウンド”を選手たちに意識させる声かけを数多く実行。そうした地道なアプローチは、チームが8強進出を1つの目標に掲げてきた証だ。アジア初参戦での準々決勝進出へ――。町田はチームの総力を結集して、ホームでのラウンド16突破を目指す。
[ 文:郡司 聡 ]