直後に行われた恒例のセレモニーでキャプテンの三浦 弦太は「天皇杯の2試合が残っているので、来年を良い年で迎えられるように、チーム全員でタイトル奪回を目指していきたい」と気持ちを切り替えている。
タイトル奪回を今季の目標に掲げたG大阪にとって、天皇杯は2015シーズンを最後に手にしていない栄冠をつかみ取るチャンスである。そんなG大阪にとってもう1つの大きなモチベーションが川崎Fへのリベンジだ。
「天皇杯で勝ち進めば、川崎Fと対戦するチャンスがある」。指揮官と選手の誰もが口にした川崎Fとのリターンマッチの可能性がある決勝への切符をつかむための戦いが、準決勝の徳島戦である。
カテゴリーだけを見れば格上のG大阪だが、過去2シーズン、天皇杯では大学生にジャイアントキリングを許すという屈辱を味わってきた。それだけに“最強の挑戦者”でもある今季のJ2王者に対して、油断はまったくないはずだ。
この試合のポイントは終盤戦でピッチに立つことがなかった負傷者たちの回復具合である。宇佐美 貴史や小野瀬 康介らが入れば一気にクオリティーは向上するが、不在だった場合はシーズン終盤に大車輪の活躍を見せたパトリックの奮起は不可欠。ボールの支配率が勝率にはつながっていない今季のG大阪ではあるが、中盤で攻撃のタクトを振る山本 悠樹も「もっとボールを握る時間を増やさないとダメ」と課題を自覚する。
一発勝負の難しさを知る東口 順昭や昌子 源ら、“勝者のメンタリティー”を持つ頼もしいベテランの存在もG大阪の武器になるはずだ。
一方の徳島もG大阪に負けずとも劣らないモチベーションで天皇杯に挑んでくる。7年ぶりのJ1昇格を決めた勢いとともに、準々決勝ではHonda FCに3-0で快勝。中3日の連戦ではあるが、最高のチーム状態で乗り込んでくる。
リカルド ロドリゲス監督の就任後、J2屈指の良質なサッカーを展開してきた徳島だが、スペイン国籍の指揮官は今季限りでの退任が決定し、来季は浦和を率いることになった。つまり、4年間の集大成の場でもあるのが天皇杯である。
徳島は戦術的な積み上げと成熟度でG大阪を上回る。試合のカギを握るのはボランチコンビだ。岩尾 憲がチームの心臓であるのは言うまでもないが、相方の小西 雄大はG大阪ユース育ちで2016年には2種登録でG大23の一員としてJ3のピッチにも立っている。
来季、J1のピッチに返り咲く徳島にとっては、現在の立ち位置を図る格好の一戦になるはずだ。
J1で2位の地力か、それともJ2王者の勢いか――。ともに十分すぎるモチベーションを持つ両者が、それぞれのストロングポイントをぶつけ合う。
[ 文:下薗 昌記 ]
