長野は昨年度、新型コロナウイルス感染症の影響による大会方式の変更もあり、天皇杯への参戦がかなわず。今年度は天皇杯長野県予選でアルティスタ浅間に1-0で勝利し、2年ぶり10回目の出場を決めた。試合は開始3分にPKを献上したが、GK矢田貝 壮貴がセーブ。後半に山本 龍平が決勝点を挙げ、苦しみながらも天皇杯への切符をつかんだ。
一方の新潟医療福祉大FCは、今大会が初出場となる。予選決勝ではトップチームにあたる新潟医療福祉大と対戦。県大会初となる同校対決が実現した。試合は前半に中田 青、後半に岡部 和希が得点を挙げ、セカンドチームとして下克上を果たしている。
長野は2018年と2019年、1回戦において2年連続で新潟医療福祉大と対戦している。スコアは3-2、1-0といずれも接戦だった。今回はセカンドチームとの対戦だが、横山 雄次監督は「良い意味で大学生らしさがあって、J3のチームと比べても運動量は劣らない。簡単ではない相手」と警戒心を抱く。
また、長野には新潟医療福祉大出身の選手が2人いる。喜岡 佳太と上米良 柊人だ。喜岡は明治安田J3で開幕から5試合連続フル出場を果たしたが、直近2試合はベンチから戦況を見守っている。一方の上米良は1試合に途中出場。互いにもがき苦しんでいるが、出場した際には熱量に注目したい。プロ2年目の喜岡は、「どうしても意識してしまう相手。セカンドチームとはいえ、難しい展開になると思う。相手は球際で戦ってくるはず。絶対に負けられないので、自分がチームを引っ張るくらいの気持ちを出したい」と闘志を燃やす。
リーグ戦での成績を見ると、長野は開幕戦以来、勝星がない。7試合を消化して1勝4分2敗の10位。総得点は『5』と、攻撃が停滞している。現在は2連敗を喫しており、目標のJ3優勝・J2昇格に向けて光明を見いだせない状況だ。
カップ戦とはいえ、横山監督は「とにかく目の前の試合に向かわなければいけない。ホームゲームなので、良い試合をすることで次のリーグ戦につなげたい。かなり重要な試合だと思っている」と語気を強める。昨季、リーグ最終節まで昇格争いを演じた勢いを取り戻すべく、ターニングポイントとしたい。
対する新潟医療福祉大FCは、北信越リーグで開幕から3連勝。3試合で11得点と爆発力を見せている。年代別日本代表の経験者も抱え、実力は申し分ない。若さを全面に押し出し、天皇杯の醍醐味であるジャイアントキリングを狙いたい。
両チームのリーグ戦での成績は対照的だ。カテゴリーの違いはあるが、勢いでは新潟医療福祉大FCが勝っている。長野は大学生を相手に、Jクラブの意地を見せることができるのだろうか。J1王者・川崎Fへの挑戦権を懸けた熱戦に期待したい。
[ 文:田中 紘夢 ]

