維新みらいふスタジアムでは、J2の山口とJFLのヴェルスパ大分が対戦する。カテゴリーの違うチームと戦うのが天皇杯の醍醐味だが、真の醍醐味はジャイアントキリングだ。この対戦でその波乱が起きるかどうか、両チームの現状を見ていきたい。
まずはホームで戦う山口だが、開幕当初は思うように勝点を積み上げられず、J3降格圏に沈んでいたものの、直近の5試合は3勝1敗1分とチーム状況は上向き。10位まで順位を上げてきた。その3勝はいずれも無失点で守備にも安定感が生まれている。
前節はアウェイで秋田と対戦。相手が退場者を出したあと、数的有利の中で1点をリードしたが、最終盤の秋田の猛攻に耐え切れず、90+4分にゴールを許して1-1に終わった。勝点2を失った感のある少し後味の悪い結末となったが、山口としてはこの秋田戦の結果を引きずらないことが大事になる。秋田からの長距離移動を伴う中2日でこの試合を迎えるだけに、指揮官がどのようなメンバーを選ぶのか注目したい。
一方のヴェルスパ大分だが、今大会にはアマチュアシードチームとして出場する。昨季のJFL優勝チーム、アマチュアの頂点として堂々の出場だ。今季は開幕戦こそ黒星でスタートしたが、現在は4連勝中で4位まで順位を上げてきた。こちらもチーム状態は上向きだ。
前節は、ホームに東京武蔵野ユナイテッドFCを迎え、4-0で快勝。26分までに3ゴールを奪い、後半にはオウンゴールで加点した。前々節・FC刈谷戦は1-0で勝利しており、2試合連続のクリーンシートを達成。ここまで8試合を戦って総失点はリーグ最少の『4』だ。
今季から年代別日本代表のアシスタントコーチなどを務めた山橋 貴史監督が就任し、ボールを大事につなぎながらも大胆な攻撃を仕掛けるサッカーを披露している。これまでの総得点は『13』で、FWの中村 真人が4得点、DFの村田 勉が3得点を挙げており、どこからでもゴールを奪える攻撃力がある。この攻撃を山口相手に発揮できるかどうか注目したい。
この一戦に向けて山口の渡邉 晋監督は、「カップ戦においてもクラブの歴史を塗り替えようという話をしている。ラウンド16に進むことが目標になるので、なんとかそこにたどり着きたい。移動を伴う中2日の連戦というのは相当厳しいスケジュール。いかにフレッシュなパワーを送り込めるかどうか」と話す。
山口は今季の出場が少ないメンバーが中心になるだろう。一方のヴェルスパ大分は4連勝と波に乗る主力メンバーで挑むことができる。平常時であれば、J2とJFLというカテゴリーの違いがそのまま結果に表れそうだが、この試合だけはそうはなりそうもない気もする。
波乱の予感も漂うこの一戦、乞うご期待!
[ 文:田辺 久豊 ]


