岩手は4月18日に行われた天皇杯岩手県予選決勝で富士大を3-0で下し、2年ぶり14回目の天皇杯出場を決めた。ベンチメンバーも含め、リーグ戦から数人を入れ替えて臨んだ。2シャドーの一角に入った色摩 雄貴が23分に先制点を決めると、前半アディショナルタイムに今季初出場の嫁阪 翔太が追加点を奪取。51分にもブレンネルがダメ押しゴールを決め、危なげない試合運びで勝ち切った。
岩手はリーグ戦でもクラブ史上最高のスタートを切っている。1試合未消化ながら、首位と勝点3差の5位につける好調だ。快進撃を支えるベースとなっているのは、昨季の中盤戦以降、大幅に改善が進んだ守備力。引き続き[3-4-2-1]の布陣を採用しているが、デュエルで無類の強さを見せている牟田 雄祐を中心とした堅守はリーグトップクラスだ。昨季はリトリートし、低い位置でブロックを形成して迎撃したが、今季は前線からのハイプレスが機能し、より高い位置で奪ってからのショートカウンターでチャンスを作っている。
攻撃面でも圧倒的なフィジカルとキープ力を誇るブレンネル、左サイドで起点となり、精度の高い左足でチャンスを作る中村 太亮などタレントはそろう。新加入選手もスムーズにフィットし、特にCBの小野田 将人、ボランチの増田 隼司らはレギュラーとして活躍。両サイドを主戦場とする加々美 登生も出場機会を手にするなど、チーム力の底上げは確実に進んでいる。
東北社会人リーグ2部南に所属する大山サッカークラブは昨年、天皇杯に初出場。今年度も9日の山形県予選決勝を2-1で勝利し、2年連続の本戦出場を勝ち取った。その決勝戦では7分に伊勢 陽平がFKを直接決めて先制。前半のうちに追いつかれたものの、60分に木村 比呂が決勝ゴールを決め、山形大医学部を退けた。大山サッカークラブは主力DFがケガの影響で欠場。前線でプレーしてきた伊勢 陽平がその穴を埋める形で臨んだが、安定感のあるプレーに加え、先制ゴールを決める大車輪の活躍で勝利に大きく貢献した。初出場となった昨年度の天皇杯では、1回戦でいわきFCに0-4の完敗。その悔しさを晴らすためにも、岩手戦にかけるモチベーションは高い。
岩手県予選決勝後、秋田 豊監督は「得点チャンスはたくさんあった。そこを決め切れるようにしていきたい」と得点力についての課題に言及。得意のセットプレーやショートカウンターから多くのチャンスを作るとともに、フィニッシュの精度にもこだわり、ゴールを奪えるかがポイントとなりそうだ。一方の大山サッカークラブとしては守備力の高い相手だけに、早い時間の失点は避けたいところ。難敵ではあるが、ワンチャンスをモノにし、記念すべき天皇杯初勝利をもぎ取りたい。
[ 文:髙橋 拓磨 ]