秋田はリーグ戦で5勝5分5敗。得点も失点も13でキレイに5割をキープしている。昨季から指揮を執る吉田 謙監督のチームの特長は一体感にある。綿密な体幹トレーニングを継続して鍛えたフィジカルと走力をベースに、ロングボールを積極的に使っていち早く敵陣に向けて前進する。この吉田監督のサッカーの根幹を支えているのが、選手たちがお互いを理解し、助け合って走る一体感だ。
キャプテンの中村 亮太と齋藤 恵太の2トップは、前線からのひたむきな守備で相手のパスを制限し、サイドハーフやボランチが連動してボールを奪いにいく。1人がかわされても味方が次々に寄せてカバーし、球際の競り合いでセカンドボールを奪ってショートカウンターに出るのが1つの形だ。
秋田は昨季のJ3を制したサッカーを「徹底と継続」(吉田監督)。J2での生き残りを懸けてチーム一体で強豪にぶつかり、成功と失敗を積み重ねながら歩みを進めている。
前節は山口とのホーム戦を1-1で終えた。前半に数多くのチャンスを作るが決め切れず、連係ミスからGK田中 雄大が決定機阻止で一発退場。数的不利の状況でも耐えていたが、84分にCKから先制を許す。秋田の課題である決定力不足とセットプレーの守備が浮き彫りになる展開となった。しかし、ここから秋田が持ち前の粘り強さを発揮する。途中出場の前線の選手たちが気迫を見せ、後半アディショナルタイムの井上 直輝のゴールで同点に追いついた。
秋田にとって天皇杯1回戦は、リーグ戦から続く3連戦の3試合目。チームには疲労があるはずだが、前節の劇的な結果が勢いをもたらしているのは間違いなく、コンディションを整えて北海道十勝スカイアースを迎え撃つ。
北海道代表として初めて天皇杯本戦に進出した北海道十勝スカイアースは名称のとおり、帯広市を中心に十勝地域を本拠地とする。
昨季まで4年連続で全国地域サッカーチャンピオンズリーグに進出した道内の強豪であり、2019年には仁賀保グリーンフィールドで4試合を戦った経験もある。将来のJリーグ加盟に向け、元日本代表の城 彰二氏が統括GMに就任するなど、着実にピッチ内外の体制を整備。現在は社会人の北海道リーグに所属し、まずはJFL昇格を目指している。
今季から北海道十勝スカイアースを率いる長野 聡監督が掲げるのは、『十勝アクションフットボール』。「全員で守り、攻め、体を張って戦う」(長野監督)姿勢は秋田と共通している。北海道予選決勝では、対人の強さを持つ下村 司のPKで先制。一度は追いつかれるも、スピードを武器とする田中 正也の左からのクロスを縄 靖也が合わせて勝ち越した。
ジャイアントキリングを狙う北海道十勝スカイアースに対し、どのような相手でも目の前の一試合を全力で戦う秋田。2チームの一体感が試合を左右しそうだ。
[ 文:竹内 松裕 ]

