天皇杯青森県予選決勝、八戸はJFLのラインメール青森に2-0の勝利を飾り、2年ぶりの全国大会出場を勝ち取った。
今季のリーグ開幕1週間前の練習試合で2-6の大敗を喫したラインメール青森に、開始から主導権を握られる苦しい展開となるが、前半のピンチをしのぎスコアレスで折り返すと、53分に前澤 甲気のゴールで先制に成功。後半アディショナルタイムには島田 拓海の勝利を決定づけるゴールで突き放し、難敵を退けた。
無失点で勝ち切ったことはもちろん、前澤の今季初ゴール、島田の公式戦2試合連続ゴールと、序盤戦を軸として戦ってきた選手に結果がついてきたことは大きな収穫となった。
しかし、1週間後に行われた明治安田J3第8節・福島戦では0-2の敗戦。ペナルティーエリア内での安易な守備の対応から2点を先行され、反撃を試みるも攻撃の精度はいまひとつ。フィニッシュまでの形を作れず、逆に相手のカウンターからピンチを招くなど、まさに「完敗」(葛野 昌宏監督)の内容だった。今大会の初戦に臨む先発メンバーを含め、福島戦の反省点をいかに修正して臨めるか。
対する猿田興業は、秋田県予選の2試合を無失点で勝ち抜き、2年連続2回目の天皇杯出場を決めた。2トップの一角やトップ下に入る土屋 健太、守備の要となるCB木内 瑛と、秋田でもプレーした経験豊富な選手がチームをけん引する。
参戦する東北社会人リーグ1部は、当初予定していた4月の開幕が宮城県の新型コロナウイルスまん延防止措置の影響により、6月の開幕に変更。県予選を終えてから公式戦を戦えず、選手の試合勘は懸念材料だが、斉藤 智一監督は「2回目の出場で、目標である全国での1勝、1回戦突破に向けて選手の意識は高いです」と話す。格上の相手を前に「ボールを支配されるのは覚悟しています。相手の攻撃をしのぎながら、自分たちの時間もくると思うので、そこでいかに決め切れるか」と少ないチャンスから勝機を見いだす構えだ。
いまでこそカテゴリーは違うが、かつては東北を舞台に争ったライバルチーム同士。2007、2008年と東北社会人リーグ2部北時代に2シーズンを戦い、対戦成績は1勝2分1敗のイーブンとなっている。
当時は選手として戦った猿田興業の斉藤監督は「過去に戦ったチームですし、長い時間が経って、お互いに変わったチームで再戦できることはうれしいです」と話すと、八戸で唯一当時を知るキャプテンの新井山 祥智も「不思議な感覚です。いまとなってはこの大会でしか戦えないと思うので、楽しみですね!」と互いに声を弾ませた。
13年越しの再戦で勝利を飾り、勝ち越すのはどちらのチームか。北東北を盛り上げる熱い試合に期待したい。
[ 文:芳賀 広太郎 ]
