横浜FMは今季、明治安田J1を無敗で独走する首位・川崎Fの陰に隠れてはいるものの、順調に歩を進めている。リーグ戦では16試合を終え、10勝4分2敗の勝点34。順位は3位ながらも、勝点3差で2位につける名古屋より消化試合数が4試合少なく、“隠れ2位”と表現しても大袈裟ではないだろう。
JリーグYBCルヴァンカップでもグループステージを4勝2分で1位通過。直近の公式戦となったルヴァンカップ・プレーオフステージ第1戦・札幌戦もアウェイゴールを奪って1-1に持ち込み、公式戦5試合無敗だ。
そして、今回はカップ戦3連戦の2戦目となる。6日の札幌戦からは中2日となり、アンジェ ポステコグルー監督のこれまでの起用法を踏まえれば、ターンオーバーで臨む可能性が高い。ただ、台所事情に余裕はない。特に人材が限られるのが、センターFWのポジション。J1で10得点のオナイウ 阿道は日本代表に追加招集され、9ゴールの前田 大然はU-24日本代表に招集中で不在。本職はレオ セアラだけとなるが、彼も札幌戦で76分間プレーしており、コンディション面に不安が残る。候補としては仲川 輝人、マルコス ジュニオールもいるが、2人ともレオ セアラと同様、札幌戦で先発出場しており、指揮官がどうやり繰りするかに注目だ。
一方で指揮官はリーグ戦起用法についてメンバー固定化を打ち出しており、これまで出場機会の少ない選手たちのモチベーションは一様に高い。
「『自分がチームを勝たせる』という意気込みで挑み、自分の持っているものを出す」(樺山 諒乃介) 「チームのやり方もあるが、自分の良さである縦への推進力やダイナミックな動きを出す」(高野 遼) “準主力”の顔ぶれで多くを戦ったルヴァンカップで負けてないことからも、今季の横浜FMは誰が出ても一定のパフォーマンスの質が担保されるのは証明済み。何が起きてもおかしくない一発勝負だけに、彼らの士気をうまく得点に結びつけ、優位に試合を運んでいくことが理想の展開となる。
対するHonda FCは、1回戦で上位カテゴリーであるJ3の岐阜を2-0で撃破。今大会もすでに下克上を果たしており、今回は“真の大物食い”を狙う立場だ。ただ、コロナ禍の影響でイレギュラーだったとはいえ、昨季はJFLで4位に終わり、今季も現在2位と一時の絶対的強さは影を潜める。J1屈指の攻撃力を誇る横浜FMと対峙するだけに、いかに無失点の時間帯を長くし、横浜FM攻略の王道であるハイラインの裏を突けるかが、肝となりそうだ。
[ 文:大林 洋平 ]
