柏は4月24日に行われたJ1第11節・徳島戦を最後に公式戦で勝利を挙げられておらず、先週ついにJ2降格圏内に転落。90分を通しての試合内容が常に悪いわけではないが、攻守において慢性的な課題が解決されないまま、中断期間へ突入することとなった。
課題の1つに挙げられるのが攻撃のバリエーション。アタッキングサードまで進入したはいいものの、相手に守備ブロックを敷かれた場合に崩し切れないシーンが今季多く見られる。古賀 太陽が語るように「もっと効果的な崩しだったり攻撃を増やさなければいけない」だろう。一方の守備面では、流れの中で危ない場面はそこまで多くないにもかかわらず、セットプレーなどゲームの流れと関係のないところで失点を喫してしまう場面が目立つ。リーグ前節の札幌戦でもCKの流れから失点を喫し、ネルシーニョ監督も試合後に「セットプレーの対応には課題が残っている」と発言。チーム全体でセットプレー対策に努めるのはもちろん、あらためて一人ひとりの“ゴールを死守する”意識を促したいところだ。
そんな柏のポジティブなニュースと言えば、負傷選手が順調に復帰に近づいていることだろう。柏の公式SNSが投稿した画像からは、昨季から長期離脱を余儀なくされていた高橋 祐治と戸嶋 祥郎がビブスを着用して練習に参加している姿を確認できた。彼らがこの一戦に出場するかは分からないが、復帰は間違いなくチームの底上げと不振からの脱却につながる。1カ月以上挙げられていない公式戦での勝利をつかみ取るのはもちろん、出場機会を多く得られていない選手たちの出番を作れればベストだ。
一方の栃木シティFCは今季ここまでリーグ戦5勝1分1敗と安定した戦績を残している。天皇杯1回戦では対戦相手が急きょ山梨学院大ペガサスから韮崎アストロスに変更され、試合日時も延期になるアクシデントが発生したものの、9-0で快勝。4年ぶりとなる初戦突破を果たし、中村 敦監督は試合後に「早い時間の先制点で選手たちもリラックスして力を発揮できた」と手ごたえを口にしている。
栃木シティFCに求められるのは訪れた決定機をしっかりと生かすことだろう。1回戦と比べるとゴール前まで持ち込める回数がグッと少なくなるはず。だからこそ、全員でしっかりとゴールを守り切る必要があるし、訪れるチャンスを逃してはならない。ともに1回戦でハットトリックを達成した鈴木 隼斗と古谷 三国といった攻撃陣が柏相手にどれだけの好パフォーマンスを披露することができるかがカギを握る。
柏が前回の公式戦から1週間以上空いて試合に臨むのに対して、栃木シティFCはリーグ戦から中2日で臨むことになる。コンディションの部分で差が出る可能性もあるが、柏が力を見せつけるのか、それとも栃木シティFCが下克上を果たすのか。熱い戦いを期待したい。
[ 文:藤井 匠 ]
