カテゴリー的には格上となる大分だが、昨季から主力が大幅に入れ替わった今季はチーム構築に手間取って出足が遅れ、現在、明治安田J1で20チーム中19位と苦戦中だ。新型コロナウイルス禍による過密日程の中、腰を据えて課題を修正する余裕もなく連戦をこなしてきたが、直近の公式戦であるJ1第17節・福岡戦に2-1で勝利して今季リーグ戦3つ目の白星を挙げ、中断期間に突入。9日間のブランクを経ての公式試合となる。
徐々に調子が上向きつつあることも感じさせるタイミングでのカップ戦で、リーグ次節の札幌戦までは10日間。チームの土台を固めるために、リーグ戦を主力として戦ってきたメンバーで臨む可能性が高い。負傷離脱から復帰できそうな戦力も可能な限り起用して、コンディション向上を急ぎたいところだ。
そんな苦しい状況にあるとはいえ、国内最高カテゴリーに属するチームとの対戦権を得て、ホンダロックSCは士気を高めている。宮崎県予選決勝では、昨季までともにJFLで戦い今季からJ3へと昇格した宮崎を、PK戦にまでもつれ込みながら下して代表の座をつかんだ。
直近の公式戦であるJFL第11節のFCティアモ枚方戦には0-2で敗れており、そこから中3日での天皇杯。コンディション的には相手より不利だが、迷いなくチャレンジャーとなれるアマチュアチームが上位カテゴリーチームの足をすくう下克上が天皇杯の醍醐味の1つでもあり、ひたむきな戦いぶりが期待される。
全員が社員選手で構成され“アマチュア日本一”を目指すホンダロックSCが、今季のチームスローガンである『企業戦士』のプライドを見せるか。それとも、プロ集団の貫禄を示したい大分が圧倒し、リーグ後半戦の巻き返しを約束するような試合を披露することができるか。
ピッチに立つことはないが、ホンダロックSCでは、2006年から3シーズンを大分でプレーした市原 大嗣が強化担当を務めている。シャムスカ監督が率いていた時期で、大分の西山 哲平GMや強化担当の上本 大海はJリーグヤマザキナビスコカップ(現・JリーグYBCルヴァンカップ)優勝をともに経験した仲間だ。そんな“フロント対決”も、大分のコアなファンにとってはうれしいトピックスかもしれない。
ホンダロックSCのサポーターにとっては、天皇杯1回戦とJFL第10節、第11節がリモートマッチだったため、久しぶりにスタジアムで応援できる公式戦だ。隣県から応援に駆けつける人たちも多いのではないか。名物サポーター・ロック総統が、リーグ戦では恒例となっているように、天皇杯でも大分のゴール裏へと乗り込んでくるのか否かは気になるところだ。
九州でも新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっている中ではあるが、この大会だからこそ実現する楽しみなマッチアップ。十分な感染症対策を施し、マナーを守って、互いに収穫の多い一戦としたい。
[ 文:ひぐらし ひなつ ]
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