福井ユナイテッドFCは、経営難によるサウルコス福井(前名称)の運営母体解散を受け、福井県サッカー協会が中心となって引き継がれたクラブで、福井県のサッカーの希望的な存在でもある。このまま北信越リーグ1部で優勝すれば全国地域サッカーチャンピオンズリーグに進出してJFL入りに挑戦し、いずれJ3を目指すクラブ。北陸新幹線の福井県内延伸が2023年春予定から1年程度遅れるというニュースもあるが、地域の発展のタイミングに合わせてJFL入り、Jリーグ入りとクラブも発展して地域の活力になりたいところ。甲府も消滅の危機を乗り越え、リニア中央新幹線の開業を待つ身であり、キーワードが似ているところに親近感もある。
甲府の伊藤 彰監督は「(リーグ前節・)新潟戦が終わるまでは天皇杯のことは考えていない」と話していたが、「福井については映像情報が少ない。北信越リーグ1部で断トツの首位のチームでイニシアチブをとっている試合が多い。リーグのトップチームの戦い方をしているが、受けたときにどうなるのかなどは分からない。やってみないと分からないことが多い天皇杯になると思う。福井の出方も分からない。ただ、そんなことは考えないでわれわれは勝ち切らないといけない。対策うんぬんよりも自分たちの力を90分間出して相手を凌駕する試合をしないといけないし、そういう試合を見たい。(ベンチからの指示待ちではなく)『相手のFWが思ったより速いぞ』、『CBが強いぞ』など目の前で起こることにピッチの選手が自分たちで対応する試合にしないといけない」と話す。
福井ユナイテッドFCにとってもリーグ戦の甲府の映像はDAZNで見ることができても、ターンオーバーで臨む天皇杯のメンバーの特徴は分かりにくい。北信越リーグの付き合いで、北信越リーグ出身の松本からトレーニングマッチの映像などを借りることができれば、対策やイメージはやりやすくなりそうだが、さてどうなるか。
迎え撃つ甲府は小林 岩魚、中山 陸、野澤 陸ら今季リーグ戦に絡めていないが力と可能性を持っている選手が、モチベーション高く待ち構えている。新外国籍選手のパウロ バイヤや、リーグ開幕戦に先発したもののケガで戦列を離れていた金井 貢史という経験値が高い選手も、リーグ戦に絡むためにやる気満々だし、有田 光希、北谷 史孝という経験値がある選手も起用されそう。課題となりそうなことは、それぞれが勝手な思いで戦うことなく、チームとしてベクトルを同じにして一体感を出せるかどうか。北信越リーグ1部で5戦5勝の福井ユナイテッドFCを乗せてしまうのか、カテゴリーの差を内容と結果で示せるのかに注目したい。
[ 文:マツオ ジュン ]
