昨年度の天皇杯では決勝で川崎Fに敗れ、五度目の優勝を逃したG大阪(※1993年度以降)。今年度の初戦は、2回戦で兵庫県代表の関西学院大を迎え撃つ。
例年、番狂わせが相次ぐカップ戦ではあるが、今大会もすでに波乱含みの展開が続いている。2回戦ではFC東京が順天堂大に敗れ、横浜FMもHonda FCにPK戦の末、苦杯をなめている。地力やチームの立ち位置が結果に反映されないのはもはや言うまでもないが、近年のG大阪にとって大学生と対戦する天皇杯は“鬼門”となっている。昨年度はコロナ禍による変則日程で準決勝から大会を始めたG大阪だが、2019年には3回戦で法政大に0-2と完敗。2018年には2回戦で関西学院大に延長戦の末、1-2で競り負けているのだ。いずれも当時のベストメンバーを送り出し、油断なく戦った末での力負け。J1勢が大学生に二度敗れるのは史上初という屈辱だった。3年ぶりの顔合わせとなる関西学院大を相手に、選手たちはあらためて気を引き締めている。
松波監督の就任後、中盤で存在感を見せている矢島 慎也は「天皇杯は難しい。僕も(2019年に)法政大にやられているし、その前は関西学院大に負けている」と負の歴史をあらためて回顧する。しかし、同時にこうも言い切った。「天皇杯は、内容が悪くて仮に相手にボールを持たれたとしても、最後に勝っていればそれでいい」。ジャイアントキリングに燃える相手との対戦が、簡単な試合ではないということはチーム全体が承知済みである。
昌子 源とキム ヨングォンが各国の代表招集で不在だが、6月2日の明治安田J1第19節・湘南戦以降、2週間のインターバルで積み上げてきたものを関西学院大にぶつけたい。そして、25日から始まるAFCチャンピオンズリーグに向けても、はずみをつけたい一戦だ。
一方、1回戦でびわこ成蹊スポーツ大を2-0で下した関西学院大は、3年前に見せた番狂わせの再現を目指してパナソニック スタジアム 吹田に乗り込んでくる。関西学生リーグ1部では首位を走っており、12日に行われた甲南大戦も3-2で勝利。この試合で2得点を叩き出しているエースの山見 大登は、すでにG大阪へ来季加入することが内定しており、G大阪が最も警戒すべき選手である。3年前の対戦では、当時1年生ながら途中交代でピッチに立ち、延長戦で決勝ゴールをゲット。歴史的な勝利の立役者となっている。当時、関西学院大のメンバーだった髙尾 瑠と山本 悠樹はいまやG大阪の一員だが、ピッチに立てば母校相手にプロ選手としての意地を見せつけるはずだ。
昨年度準優勝チームの地力を見せたいG大阪と、再びのジャイアントキリングを目指す関西学院大。因縁に満ちた顔合わせの結末は、果たして。
[ 文:下薗 昌記 ]
