3年前の天皇杯2回戦でも対戦したG大阪と関西学院大がパナソニック スタジアム 吹田で激突した。
「天皇杯の初戦はメンタル的に難しいが、やはり相手をしっかりとリスペクトしてわれわれのプライドを持って戦わないといけない」。松波 正信監督が試合前に口にした言葉は決して、社交辞令ではない。3年前には延長戦の末に競り負け、ジャイアントキリングを許している相手との対戦だけに、あくまでも勝ち切るためのメンバーを送り出した。サブには宇佐美 貴史やパトリック、そして昨年9月に右ひざ前十字じん帯を損傷し、戦線離脱していた小野 裕二が今季初めてメンバー入りを果たした。
一方、3年前の歴史的な番狂わせの再現を目指す関西学院大は、来季からG大阪入りが決まっているエース・山見 大登が先発に名を連ねた。「日本サッカー界のレベルは全体的に上がっている。少しでもスキを見せると足をすくわれる」と松波監督は話していたが、立ち上がりにペースを握ったのは関西学院大だった。3分には山田 剛綺がファーストシュートを枠内に放つと、4分には山見も負けじとシュートを打つ。
G大阪が冷や汗をかかされたのは8分だった。ボールに対しての出足で上回る関西学院大はCKのこぼれ球から決定機を作り出し、輪木 豪太がゴール前で決定的なシュートを放つも石川 慧がセーブする。3年前の悪夢が頭をよぎる立ち上がりを強いられたG大阪だったが11分、サイドチェンジのボールを受けた小野瀬 康介が絶妙の切り返しから左足で豪快に蹴り込み、G大阪が先制に成功する。
その後、ボールを効果的に動かしていたのは関西学院大だったが21分、縦パスに抜け出したウェリントン シウバが本山 遥を巧みに振り切って抜け出すと、ループ気味にシュートを決め、加入後初ゴールをゲット。G大阪が突き放す。2失点を喫した直後、関西学院大の最後尾をCBとして支えていた山本 祐也は「まだまだ」とチームを鼓舞する言葉を口にした。すると、40分には倍井 謙がゴール正面からクロスバー直撃のミドルを放ち、追撃への姿勢をにじませる。
後半、木村 勇大を山見の相棒として送り出した関西学院大。55分、右サイドを突破した木村のシュートをGK石川がファンブル。輪木がこぼれ球を蹴り込んで試合内容のみならず、スコアもきっ抗した展開に持ち込んでいく。失点直後の59分、G大阪は宇佐美と藤春 廣輝、倉田 秋を同時投入し、4バックにスイッチ。
左サイドの攻撃を活性化させるも、突き放し切れないG大阪。83分、クロスを頭で合わせた関西学院大、上野 岳人のシュートは鋭く枠を捉えるが、GK石川がビッグセーブ。ギリギリのところで同点ゴールを許さなかった。するとG大阪は87分、小野が放ったシュートのこぼれ球をパトリックが蹴り込んで、試合を決定づけた。
スコアこそ3-1ながら、シュート数では後れをとったG大阪。しかし、最後は地力の差を見せつけ、粘る関西学院大を振り切って、3回戦への切符を手にした。
[ 文:下薗 昌記 ]
ガンバ大阪
監督
松波 正信
天皇杯の初戦ということで非常に難しいゲームになるという予測の中、前半のうちに2点取れたというところで、すごく有利に進められたかなというふうに思います。ただ、前半からもそうですけど、後半も含めて押し込まれて、相手の縦に速い攻撃に苦戦をした中で、点を取られた。ただそこからディフェンスラインのところも含めて我慢の時間の中、今季初めて公式戦出場の石川 慧を中心に(守備陣に)助けられた部分もありましたし、粘り強い守備というところは全体でできたかなというふうに思います。 途中少しメンバーを代えながら、3点目を取れたというのは非常に良かったと思いますけども、内容的には押されている時間帯も非常に多かったし、課題の多い試合だったかなと思います。 --課題というところでは前後半を通じて、最前線でなかなかキープする時間が作れず、押し込まれる展開になったと思いますが、関西学院大の勢いが思った以上だったのか、それとももう少し選手にやってもらいたかったのか、どういう分析でしょうか?背後へのボールというのは意識した中でゲームに入り、相手の背後というのは狙いにありました。ただ、相手(や試合)の状況の中で、もう少しシャドーのところ(選手)が間に顔を出し、そこを見ることができれば、もう少し時間を作れたかなと思う。少し背後へのボールが多くなったというところと、セカンドボールのところが拾い切れなかった。 中盤とオフェンスラインの間が少しコンパクトではなかったなというところもありました。あそこで拾えればとか、前線でキープ、もう少し時間を作れればというところは当然あった。そのボールの質だとか、ちょっとしたポジショニングだとかが、やっぱり前線で時間を作れなかったというところ。そこは少し修正というか、課題になります。 --来季から加入する山見 大登はドリブルもキックの質もかなり良かったと思いますが、松波 正信監督から見ても、来年楽しみだなという感じでしょうか?そうですね、ただ、あれだけフリーにすればやっぱりプレーの質は高いので、もう少し厳しくいかないといけなかったなというのはあります。やっぱりドリブルだったり、仕掛ける場所だったり。ただシュートを決め切れなかったというところは課題だと思いますけども、非常に良いプレーだったと思います。