横浜FCはリーグ戦で最下位に沈んでいる。開幕から6連敗と大きくつまずき、4月上旬に下平 隆宏監督を解任。2019年までトップチームでコーチを務め、昨季は横浜FCユースを率いていた早川 知伸監督が後任に就くも調子はなかなか上向かず、18試合を消化して1勝4分13敗の勝点7と苦しい状況が続いている。また、5月末から6月初旬にかけて、選手の中に新型コロナウイルス感染症陽性判定者が4名、濃厚接触者が1名出るという、まさに泣きっ面に蜂の状態だ。
ただ、結果にこそ表れていないが、監督交代から少しずつ内容は上向いている。「自分が求めている厳しさ、ハードワークの部分は一番変化を感じている。あとはここからもっと質を上げていかなければいけない」と早川監督も手ごたえを語っているが、6月2日の明治安田J1第21節・川崎F戦を終えて中断期間に入った。この2週間は立て直しのためのまとまった時間だ。
「重要な時間になる。戦術的な落とし込みを中心に、しっかりトレーニングしたい」と指揮官も意気込んでいたが、この天皇杯2回戦はその成果を示す格好の場となる。とはいえ、中2日でJ1第18節・FC東京戦が控えているため、メンバーを調整して臨むことにはなるだろう。そうなると、期待がかかるのは三浦 知良や中村 俊輔の最年長ゴール記録だ。ちょうど1週間前の9日、札幌の小野 伸二が天皇杯2回戦で直接FKを決め、記録を41歳255日に更新したばかり(それまでの記録は川本 泰三氏の41歳105日)。チーム力アップを示した上で、記録を打ち立ててリーグ戦へ勢いをつけたいところだ。
一方、八戸は現在リーグ戦で7位につけている。今季J2クラブライセンスを申請する方針で、申請が受理されて2位以内に入ればJ2昇格となるだけに、ここでJ1クラブを破って上位進出への起爆剤としたい。クラブは8日、トップチームの主力選手5名に規律違反があったとして、13日までの謹慎と減俸処分を発表。先週末に行われたJ3第11節・YS横浜戦では3-0と快勝を収めており、謹慎明けの5選手はこの試合にモチベーション高く臨んでくるだろう。
天皇杯出場は今回で9回目となり、2017年と2019年には当時J1だった甲府と松本に勝利して3回戦進出を果たしている。ジャイアントキリングの実績は十分で、しかもその年に甲府も松本もJ2に降格しているというデータも、横浜FCから見れば不気味だ。二度あることは三度あるのか、苦境にあえぐ横浜FCが意地を見せるか、熱い戦いを期待したい。
[ 文:芥川 和久 ]
