JリーグYBCルヴァンカップグループステージで同じ組だったこともあり、明治安田J1を含めて今季すでに三度対戦している両者だが、ここまでは福岡が2勝1分と大きくリード。サポーターの思いが通常の試合以上に込められるのがダービー。鳥栖としてはこれ以上サポーターの期待を裏切るわけにはいかないだけに、なんとしても勝利が欲しい一戦だ。
鳥栖、福岡ともにリーグ前半戦では明確なチームスタイルで見事な戦いぶりを見せてきたが、ここ最近はその勢いに陰りが見え始めている。鳥栖は直近の公式戦となったJ1第21節で広島とのアウェイ戦に臨んだ。序盤から広島のプレスの前に劣勢を強いられると、後半にミスからカウンターを浴びて失点。終了間際に途中出場の酒井 宣福に得点が生まれて引き分けに持ち込んだが、シュートはわずか5本。持ち味である攻守に主導権を握るスタイルを発揮し切れなかった。これでリーグ戦は4試合勝ちなし。天皇杯を含めた直近の公式戦5試合で得点はわずかに『3』となっている。
一方、福岡の直近の公式戦はJ1第20節で、浦和とのアウェイ戦に臨んだ。立ち上がりに失点を喫すると、後半にもセットプレーから失点。反撃も実らず、0-2での零封負けとなった。福岡も鳥栖と同じくこれでリーグ戦4試合勝ちなし。順位も10位まで下げてしまった。現在は同3連敗中だが、いずれの試合も前半立ち上がりでの失点が続いている。堅守をベースとした手堅い試合運びが福岡の強みであるだけに、直面しているこの課題をクリアしたいところだ。
リーグ戦の合間に行われるカップ戦ではメンバー構成が注目されるが、両者には試合間隔の違いがある。鳥栖は直近の公式戦から中3日となるが、この試合のあとは週末にリーグ戦が設定されていない。逆に福岡は先週末にリーグ戦がなく、直近の公式戦から中9日でこの試合を迎える。ただ、中2日でアウェイのJ1第22節・横浜FM戦が控えており、3連敗中のリーグ戦のことを考えれば、リーグ戦のメンバーは投入しづらいかもしれない。特に長谷部 茂利監督がどういう選択をするのかには注目したいところだ。
試合展開としては、鳥栖がボールを保持しながら押し込む中で、福岡がカウンターやセットプレーから得点を狙うという形になるだろう。鳥栖としてはここ最近の課題であり、今季の福岡戦でも同じ轍を踏まされてきただけに、ゴールをこじ開けるだけの迫力と質をここで見せなければならない。一方の福岡も課題である立ち上がりを高い集中力で乗り切り、今季の鳥栖戦で見せてきた勝ちパターンとも言えるような流れに持っていきたい。
ともに天皇杯2回戦では“九州ダービー”を制している。“九州ダービー”の中でも歴史が深く、対抗意識も強いのが鳥栖と福岡。鳥栖が今季ダービー初勝利を挙げるのか、それとも福岡がダービー3連勝を飾るのか。
[ 文:杉山 文宣 ]
