長崎が属する明治安田J2は、先週末で前半戦が終了。長崎は11勝3分7敗の勝点36を獲得し、7位での折り返しとなった。ただ、5月上旬の指揮官交代を経て、松田 浩監督が就任してからは破竹の勢いで勝点を積み上げている。松田監督が指揮を執るようになってから、7勝1分1敗。それまでの攻撃的なスタイルから、規律を重んじた組織的な守備をベースとするスタイルへの変更が奏功している。直近の第21節ではそれまで15試合負けなしで首位を走っていた京都に対して、2-0での完封勝利を収めている。
一方、札幌はJ1で現在11位。直近の第21節・徳島戦では多くのチャンスを作りながらも、終盤まで得点を奪えず。それでも、猛攻が実り、88分にクロスから相手のオウンゴールを誘発。これが決勝点となり、リーグ戦2試合ぶりの勝利を挙げた。
両者の天皇杯2回戦の戦いも振り返っておきたい。長崎は沖縄SVと対戦。序盤から沖縄SVの強度の高いプレスやロングスローも含めたセットプレーの前に劣勢を強いられる。それでも、前半にビクトル イバルボのPKで先制。その後も沖縄SVの猛攻にさらされたが、終了間際には大竹 洋平にも得点が生まれ、勝利をモノにしている。
札幌はソニー仙台FCとの対戦だった。開始早い段階で先制を許す展開となったが、そこからは激しい打ち合いに。前半の飲水タイムまでに両チーム合わせて5得点が生まれるというジェットコースターのような試合となった中、最後は札幌が地力を見せ、終わってみれば5-3で相手を打ち負かした。
両者の公式戦における過去の対戦成績は、長崎から見て1勝4分7敗。本拠地では3分3敗と、勝利を挙げることができていない。ただ、今回の対戦では2回戦同様、ともに大きくメンバー変更を施す可能性が高い。長崎は監督交代以降、リーグ戦ではメンバーを固定して戦ってきている。リーグ戦で出場機会を得られていない選手たちにとっては貴重なアピールの場であり、松田監督としてもチーム力の底上げのためにこの試合を活用する狙いはあるはずだ。一方の札幌は、日程の問題がある。この試合はリーグ戦の合間に設定されており、前後ともに中2日。札幌から長崎への長距離移動が往復で入ることも考えれば、2回戦同様にターンオーバーは必至だ。
そして、この対戦で注目を集めることになるのが札幌の中島 大嘉だろう。ソニー仙台FC戦ではハットトリックを記録した高卒ルーキーは長崎県の国見高出身。長崎も獲得オファーを出していたが、より高いレベルでの競争を望み、札幌への加入を決めたという経緯もある。高校時代を過ごした地でプレーする機会を得ることになるであろう大型ストライカーのプレーには、長崎のサポーターも熱い視線を送るだろう。
組織的な守備からのソリッドなカウンターの長崎か。それとも、攻撃的なスタイルの札幌か。対照的なスタイルとなる両者の好ゲームを期待したい。
[ 文:杉山 文宣 ]