千葉はリーグ前節の金沢戦で2-1の勝利を挙げ、今季初となるホーム連勝を達成した。「全体が積極的に攻撃参加したので、得点が生まれた」と尹 晶煥監督が語ったように、攻撃時の姿勢には成長の跡が見られる。特に効果的になっているのが、3バックの持ち上がり。金沢戦では新井 一耀が敵陣深くまで進入する場面が散見され、彼が深い位置から低弾道のクロスを供給したことが見木 友哉の先制点につながった。
攻撃的な姿勢はもちろん大事だが、川崎F戦では自陣で守る時間が長くなることが予想される。そのときに意識したいのが守備のスライド。金沢戦ではボランチやウイングバックが誰をマークすべきか曖昧になってしまう場面があった。その結果、相手にスペースを与えてしまい、いくつか決定的な場面を作られてしまった。川崎Fの素早いパスワークに翻ろうされ、ボックス付近でフリーの選手を作らせないような守備組織を構築したい。
また、古巣対戦となる新井 章太はこの試合に向けて意気込んでいる。「練習から一人ひとりのこだわりが全然違う。ほかのJ2チームにはないような切り替えもしてくるし、質の部分も高い」と川崎Fの警戒すべき点についてコメント。ただ、当然目指すのは勝利のみ。「普段練習でしかやらなかった相手とこうやって公式戦でやれるのは楽しみだが、勝ちたい気持ちが一番強い」と力強く語っていた。天皇杯2回戦では鈴木 椋大がゴールマウスを守っていたが、この試合で新井 章太に出番があれば、彼のファインセーブにも期待したい。
一方、いまだ公式戦無敗の川崎Fは、直近のリーグ戦となったJ1第18節で清水と対戦。AFCチャンピオンズリーググループステージ終了に伴う移動の疲労に加え、チームスタッフに新型コロナウイルス感染症の陽性者2名が出た影響で満足に練習をこなせない状況だったにもかかわらず、2-0の完封勝利を収めた。鬼木 達監督も「タフなゲームで勝点3を拾ってくれた」と選手たちの姿勢を称賛している。
既存の選手が復帰し、新たな選手が台頭しているのもポジティブなニュースだ。清水戦では大島 僚太がリーグ戦今季初出場を先発で果たし、なおかつゴールを決めた。鬼木監督も「彼が入ると違ったチームになる。プレーでも引っ張っていってほしい」とコメントしている。また、20歳の宮城 天は清水戦でJ1デビューを飾った。本人は「課題も多く出た」とデビュー戦の感想を語っていたが、伸びシロは十分。2選手とも出番があるかは分からないが、出場機会があれば彼らのパフォーマンスには注目したい。
5年前に天皇杯3回戦で対戦した際は、川崎Fが4-1で快勝を収めている。千葉がジャイアントキリングを起こすのか、それとも川崎Fが再び力の差を見せつけるのだろうか。
[ 文:藤井 匠 ]
