名古屋はAFCチャンピオンズリーグに参加した影響で、タイから帰国直後の7月14日に3回戦・岡山戦を実施。しかし、前半を終了した時点で激しい雷雨のために延期となり、8月2日に前半キックオフから試合が再開された。
名古屋はこの試合で勝利に徹するリアリストぶりを発揮する。凸凹でボールが不規則に弾むピッチコンディションを勘案して、勝つことだけに専念した。先発メンバーも「ほぼベスト」という選手をそろえ、33分にショートコーナーからマテウスのクロスに中谷 進之介が右足で合わせてゴール。きっちり先制点を奪うと、その後は得意の守備戦術で相手にチャンスをほとんど作らせず、1-0で危なげなく勝利を収めた。
一方、神戸の3回戦は今季四度目の対戦となる徳島が相手だった。どちらも相手の手の内が分かっている状況の中、38分にスコアを動かす。ドウグラスが放ったシュートのこぼれ球を、夏の移籍期間でセルティック(スコットランド)に移籍した古橋 亨梧が押し込んで先制に成功。後半、相手は選手交代を施して圧力を掛けてきたものの、神戸は守りの集中力を切らさず、1-0で逃げ切った。
虎の子の1点を守り切って勝ち上がったチーム同士の対戦となるが、このラウンド16は少し思惑が異なる。3回戦同様にロースコアの展開に持ち込みたいのは名古屋。もともと得点力が高くなく、直近の公式戦4試合で2ゴールしか取れていない。しかも、神戸戦は中2日での4連戦目という過密日程。先発メンバーの大幅な変更もあり得るが、体力的な面でハンディを負う形だ。なるべく省エネで1点を奪い取り、体力勝負は避けたいところだ。
一方、神戸は“打ち合い上等”という形。というのも、14日に予定されていたJ1第24節・広島戦は大雨の影響で試合中止に。直近の試合から中8日空くことになり、コンディション的には有利な状況だ。しかもJ1第23節・柏戦では、攻撃のカギを握るアンドレス イニエスタが復帰。古橋や藤本 憲明は移籍したものの、日本代表の大迫 勇也や武藤 嘉紀というビッグネームが加入した。この大型補強が機能すれば、神戸の攻撃力は他を圧倒するだろう。
両チームの先発予想も難しい。神戸はこの試合の直後に、勝点で並ぶ鹿島との大一番が控えており、それをどう考えるか。名古屋は前述のとおりの過密日程で、負傷者も出るなどコンディションが厳しい。ただ、ここでチャンスをもらった選手が活躍することは往々にしてあること。出場機会の少ない選手の躍動にも期待したい。
J1で上位につけるチーム同士の対決に注目だ。
[ 文:斎藤 孝一 ]
