その初戦は天皇杯だ。名古屋は2回戦から登場し、岡山県代表の三菱水島FCを5-0で破ると、3回戦はJ2岡山に1-0で辛勝。ラウンド16の神戸戦も1-0で勝ち上がった。対するC大阪は2回戦・鳥取戦を2-0で勝利、3回戦・新潟戦を3-2で逃げ切ると、ラウンド16では鳥栖に1-0と勝ち切って準々決勝に進んできた。
ともに今季はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)を戦ったチーム同士。厳しい遠征やバブル方式による隔離生活を経験しながら、天皇杯もここまで勝ち進んでいることをまずは称賛したい。それでなくても、普段戦うことのない下位カテゴリーのチームと戦うのは難しいもの。上位チームは勝って当然の雰囲気があり、負ければ大きく叩かれる。ストレスとプレッシャーに打ち勝って、ここまで階段を上がってきた。
両チームの天皇杯での対戦は2回ある。いずれも4回戦(ラウンド16)で、2002年は5-2で名古屋が勝利。2017年は1-0でC大阪が勝利し、C大阪はそのまま優勝まで突き進んだ。
明治安田J1でも近年は常に上位に食い込み、カップ戦でも好成績を残してきたC大阪だが、今季はリーグ12位と低迷。来季もACLに出場するためには、この天皇杯で優勝するしかない。24日に行われたJ1第33節では、2位の横浜FMと対戦した。6分に先手を奪うと、21分には加藤 陸次樹が追加点。失点を『1』に抑えて勝利し、名古屋との2連戦にはずみをつけた。懸念されるのは、この試合で先制点を挙げた乾 貴士が登録の関係で天皇杯には出場できないこと。その穴をどう埋めるかに注目したい。
対する名古屋は17日に韓国でACL準々決勝・浦項戦を戦い、0-3で敗れて帰国。今季二度目のバブル方式で隔離生活を余儀なくされながら、24日は神戸とのJ1第33節を戦った。最終的な結果は2-2と引き分けながら、前半は2-0と圧倒した。ただ、突き放すことができずに追いつかれてしまった格好だ。浦項戦も前半は相手に決定的なチャンスを1本も与えず、ワンサイドとも言える内容だったが、シュートを決め切れずに敗れており、2戦連続で同じ課題が顔をのぞかせている。
名古屋の注目ポイントは、自分たちの流れのときにどれだけ得点が取れるのか。攻撃陣はバリエーションが豊富でチャンスは作れているが、得点力に課題がある。決めるべきときに何度でもどん欲に決めたい。また、強堅さを誇った守備も、やや不運な面がありながらも10月はクリーンシートが1つもない。以前の堅い守備を取り戻すことができるだろうか。
来季もACLに出場できるリーグ3位以内の可能性は十分に残す名古屋だが、この天皇杯ルートもしっかり確保しておきたい。そのためにも90分間、もしくは延長戦を含めた120分間で集中を切らさず、相手の変化にしっかりと対応したいところだ。
[ 文:斎藤 孝一 ]
