対して川崎Fは、明治安田J1第33節・清水戦の勝利によって次節にもリーグ優勝が決まるというタイミング。どうしてもリーグ優勝に目がいってしまいそうだが、鬼木 達監督はこの試合にしっかりと照準を合わせる。清水戦から中2日で、相手は中3日と日程面では不利だが、この連戦を一くくりに考えていると表明して鹿島撃破を狙う。
鬼木監督が就任した2017シーズン以降、川崎Fは鹿島に対してリーグ戦で負けなし。JリーグYBCルヴァンカップを含めると、9勝5分1敗と大きく勝ち越している。指揮官が古巣の鹿島に対して今回も高いモチベーションで臨むのは間違いない。鹿島との天皇杯といえば、風間 八宏前監督体制時の2017年元日に1-2で敗れた苦い記憶もあるが、清水戦で試運転した大島 僚太も戦線に復帰しており、メンバーはそろった。タイトルを逃したルヴァンカップ、AFCチャンピオンズリーグの反省を踏まえて、この一発勝負で鹿島を倒しにかかる。特に守備陣が充実の一途をたどっており、負傷がちだった各選手のコンディションも上がってきた。彼らが、どれだけ鹿島戦に集中して準備できるかもカギを握りそうだ。
鹿島はJ1第33節でFC東京と対戦し、2-1と勝利を収めた。中心選手であるディエゴ ピトゥカが中盤を支配し、前線では上田 綺世がリーグ戦3試合連続のゴールを決めている。選手たちの状態は良さそうで、サイドでは安西 幸輝が推進力を見せており、前回対戦同様に川崎Fを苦しめるはずだ。何より、師弟関係にある鬼木監督との対峙を迎える相馬 直樹監督としては、後輩に対してもう負けられない思いは強いだろう。
相馬監督はFC東京戦後、「今後につなげられるゲームになったと思う。次の天皇杯に向けて、良い準備をしたい」と述べた。この川崎F戦に自信を持って臨むことは明白だ。
このところ、川崎Fの軍門に下っている鹿島が立場を覆せるか。2冠達成に向けてラストスパートをかけている川崎Fが、リーグ戦7連勝の勢いを借りて鹿島を再び下せるか。舞台は等々力陸上競技場。寒さも増した中で迎える水曜のナイトゲームにはなるが、白熱必至だ。さまざまな思惑とプライドがぶつかり合う、日本屈指の好一番の予感が漂っている。
[ 文:田中 直希 ]


