昨年度の天皇杯王者であり、今季のリーグ戦王者でもある川崎Fは、2021年に入ってホーム・等々力陸上競技場で敗れていない。JリーグYBCルヴァンカップ準々決勝で敗退した際は2試合とも引き分けで、アウェイゴールの差によって浦和に屈した形となった。AFCチャンピオンズリーグラウンド16敗退も、アウェイでPK戦によるもの。リーグ戦での2敗もアウェイでの福岡戦、鳥栖戦だった。ホーム無敗で今季を終えられるかは1つの注目点となるだろう。
川崎Fはジェジエウが左ひざ前十字じん帯損傷、左ひざ内側側副じん帯損傷の大ケガを負ってブラジルに帰国中。さらに先週の明治安田J1第38節・横浜FM戦では、前半のうちに車屋 紳太郎が負傷交代となってしまった。レギュラークラスのCB2枚を欠く可能性があるが、その横浜FM戦では車屋と交代した山村 和也が安定したプレーを見せている。経験豊富な山村が起用されるならば、あまり心配はいらないか。
12月7日には、来年の1月21日に行われるウズベキスタン代表との国際親善試合に向けた日本代表メンバーが発表された。国内組で臨むメンバーに、川崎Fからは谷口 彰悟、山根 視来、脇坂 泰斗、旗手 怜央と最多の4名が選出。代表選手のプレーも注目を浴びそうだ。
脇坂は「(優勝した)昨年度はイレギュラーなレギュレーションだった。通常のレギュレーションに戻った今回で優勝したい」というモチベーションもある。『2021Jリーグ最優秀選手』に輝いた副将のレアンドロ ダミアンも連覇に向けて準備を進めており、主将の谷口も「高いレベルのところで常に戦えるように、より意識してしっかりトレーニングを積んで天皇杯を迎えたいし、天皇杯もきちんと獲得することを目指して戦いたい」と大分戦を見据えた。
一方、大分はシーズン途中で加入した呉屋 大翔、増山 朝陽、野嶽 惇也、梅崎 司が出場できない。さらに刀根 亮輔が出場停止であり、フルメンバーで臨むことがかなわない。それでも、今季限りでの退任が決まっている片野坂 知宏監督とともに、最後に栄冠を手にしたい思いは強いはず。J3時代から6年間、ともに戦ってきた指揮官の花道を優勝で飾れれば申し分ない。
また、策士として名高い片野坂監督はどういう戦略で試合に臨むのか。一方、正面からぶつかり合いそうな川崎Fは、鬼木 達監督の下で築き上げてきた戦いで相手を凌駕できるか。細かな駆け引きも見どころになるだろう。
今季は2試合ともに2-0で川崎Fが勝利している。J1第7節では三笘 薫の2発、第23節はレアンドロ ダミアン、遠野 大弥にゴールが生まれた。ただ、昨季の昭和電工ドーム大分での一戦では、野村 直輝の得点でホームの大分が1-0と勝利を奪っている。果たして、今回はどうなるか。
[ 文:田中 直希 ]


