鳥取は今季、明治安田J3リーグで開幕から苦戦が続いている。開幕2連敗後に1勝1分として盛り返すかに見えたが、その後に4連敗。1試合未消化ながら17位と低迷している。
要因は8試合でリーグ最多の19失点という守備のもろさ。昨季途中に就任した金 鍾成監督の下、前線のコンビネーションなど攻撃の良い形は増えつつあるが、押し気味の時間帯にセットプレーであっさり失点するなど、なかなか試合運びが安定しない。連続失点が多いことも課題だ。
そうした現状を考えれば、勝利に向けてまず求められるのは無失点の時間を長くすること。後述するようにメンバーを入れ替える可能性もあるが、石川 大地など攻撃の主軸が先に得点を奪うことで、チーム全体に漂う沈滞ムードを打ち破れるか。
V大分は昨年度の天皇杯で、1回戦は山口をPK戦の末に下し、2回戦でも山形を2-1で退けて、二度のジャイアントキリングを達成。3回戦では関西リーグ1部所属のおこしやす京都ACに3-1で勝ち、Jクラブ以外では唯一のベスト16進出を果たした。ラウンド16で磐田に0-1で敗れたものの、延長戦までもつれ込む激闘を演じており、今年度も快進撃の再現を狙う。
2018年から2020年まで指揮を執り、2020年にJFL初優勝に導いた須藤 茂光前監督、2021年から指揮を執っている山橋 貴史監督とも、自分たちがボールを握って試合をコントロールしながら、攻撃も守備もアグレッシブにプレーするスタイルを追求。個の力ではなく、グループで相手を上回る戦いを目指している。
攻撃の中心は、今季JFLでチーム最多の3得点を挙げている中村 真人。184センチ・90キロの体格を生かしたパワフルなプレーが持ち味で、ヘディングシュートやポストワークで前線の核となる。CBでプレーする浦島 貴大は、昨季まで2年連続でJFLベストイレブンに選出されているディフェンスリーダー。中盤では昨季からキャプテンを任されている篠原 宏仁が、技術の高さとハードワーク、チームを鼓舞するリーダーシップを武器に、アンカーやシャドーで力を発揮する。
今季のJFLでは第8節を終えて3勝2分3敗、16チーム中10位と思うように勝点を伸ばせていないが、昨季も天皇杯開幕前は同じような状況だった。昨季はそこからジャイアントキリングを重ねて調子を上げ、3位でシーズンを終えている。今季も同じ流れに持ち込みたい。
鳥取は18日に岐阜とアウェイで対戦したあと、移動を含めて中3日での試合。25日に延期分の第8節・愛媛戦も控えているため、リーグ戦とはメンバーを替える可能性もあり、起用法も含めた各選手のコンディションが勝敗を分けるポイントの1つだろう。昨季からのメンバーが多く残っているV大分は、格上にどう立ち向かうかを知っている経験を武器に、再びジャイアントキリングに挑む。
[ 文:石倉 利英 ]
