なお、2回戦はミッドウィークでの開催となるため、最大の注目点は先発メンバーの人選だろう。秋田 豊監督率いる岩手は連戦下の場合、ローテーション起用の傾向が強い。そのため、直近の明治安田J2第19節・金沢戦から大幅に先発メンバーを入れ替えてくる可能性が高そうだ。
一方の町田は2種登録とJFA・Jリーグ特別指定選手を含めても全28名と、少数精鋭の編成(特別指定選手は天皇杯には出られない)。そのため負傷者の状況も踏まえれば、直近のJ2第19節・秋田戦からのメンバー変更は最小限にとどまるに違いない。
誰が出てもクオリティーが落ちないチーム作りが理想的ではある中で、期待されて天皇杯2回戦のピッチに送り出された両チームの選手たちは、どんなパフォーマンスを発揮するのか。普段はリーグ戦で出場機会の少ない選手がピッチに立つケースも考えられる。そうしたフレッシュな選手たちのプレーぶりにも注目だ。
試合の焦点は、ともに[3-4-2-1]のシステムを採用しているため、“ミラーゲーム”になること。J2昇格組である岩手はどうしても選手個々の力が町田と比べて見劣りするだけに、分が悪いかもしれないが、各所でマッチアップが生じるぶん、戦い方はハッキリする。1対1の連続を制することで主導権は握れる。そうした割り切りが逆に強みとなるのではないか。一方の町田としてはインテンシティーの高さがチームの生命線であるため、そこで後塵を拝するわけにはいかない。互いの意地もぶつかり合い、至るところで激しいマッチアップが展開されるだろう。
リーグ戦における直近3試合の戦績は、町田が2勝1敗であるのに対して岩手は3連敗中と、対照的な状態にある。特に町田は直近の秋田戦を2-0で快勝し、「非常に賢く戦えた」とランコ ポポヴィッチ監督も一定の評価を下した。チーム全体で最適なプレー判断を選択しながら、時計の針を進める戦い方が実践できたことで自信を深めた様子だ。J2で4位につけ、第一集団の3チームに食らいつきたい町田としては、さらなる自信を深め、チーム力を底上げする意味でも是が非でも勝利が欲しい一戦。2018年以来となる天皇杯初戦突破を果たしたい思いも強いはずだ。
一方の岩手としては、できるだけロースコアのきっ抗戦に持ち込み、直近の金沢戦でゴールを奪ったセットプレーなどで少ないチャンスを生かすゲームプランが望ましいか。「現役時代の鹿島ではセットプレーでたくさん勝ってきた」と秋田監督が話していたことがあるように、今季一度対戦経験があるぶん、何らかの秘策を携えているかもしれない。
[ 文:郡司 聡 ]
