両者の公式戦での対戦は2019年以来となる。当時はJ2で、二度対戦しているが、長崎が1勝1分で勝ち越している。ただ、当時から両チームともに監督が代わり、選手も入れ替わっているため、チームスタイルにも大きな変化が見られている。
長崎は5月29日にホームでJ2第19節・岡山戦を戦っている。序盤からボールを保持してほぼ一方的に押し込み、相手の3倍となる12本のシュートを放ったが、最後まで集中して守る岡山の守備をこじ開けられず、スコアレスドローに終わった。これでホームでは4試合連続の無得点となってしまった。リーグ戦から天皇杯に戦いの舞台は変わるが、トランスコスモススタジアム長崎での試合となるだけに、長崎としてはゴールを奪い、勝ってリーグ戦にもつなげたい一戦となる。
得点力が課題となっている長崎と対照的なのが鹿児島だ。こちらも29日にJ3第10節・讃岐戦を戦った。アウェイでの一戦となったが、立ち上がりから讃岐を圧倒。開始10分までに有田 光希、米澤 令衣に得点が生まれ、36分には再び有田。後半に入り、57分にもロメロ フランクが追加点。終わってみれば、4得点を奪い、無失点の快勝。3連勝で首位をキープするとともに、総得点数もリーグトップに躍り出ている。
天皇杯での鹿児島の戦いを振り返ると、鹿児島県予選決勝では鹿屋体育大を相手に終盤までリードを許す苦しい展開だったが、アディショナルタイムに井原 伸太郎の得点で追いつく。延長戦にもつれ込むと、延長前半に米澤に得点が生まれ、激闘を制して本戦への切符をつかんだ。2年連続8回目の出場となった1回戦では北九州との“九州ダービー”が実現。前半に2点を先行すると、後半にも追加点。北九州の反撃を1点に抑え、安定した試合内容で2回戦へと歩を進めている。
ともに直近の公式戦から中2日となるだけに、注目したいのはメンバー構成だ。リーグ戦から大幅なメンバー変更の可能性が高く、チームとしての総合力が問われる戦いになるだろう。長崎としては先週も水曜日に中2日でリーグ戦を戦っており、そのときのメンバーが中心となる可能性が高い。また、ケガから回復し、公式戦での復帰が待望される秋野 央樹や、5月に加わったブラジル国籍DFのカイケといった選手たちがピッチに立つ可能性があるのかにも注目したい。
天皇杯ではベスト4まで進んだ経験を持つ長崎だが、初戦は苦しむ傾向が強い。J3で首位を走り、勢いに乗る鹿児島が難敵であるのは間違いないだろう。鹿児島は2試合連続の“九州ダービー”で下克上を虎視眈々と狙う。
[ 文:杉山 文宣 ]