千葉は昨年度の天皇杯で3回戦まで進出すると、J1の川崎Fと対戦。当時のJ1首位チームに対して集中した攻守を見せてPK戦までもつれ込んだが、最終的には敗退を喫した。尹 晶煥監督は「差はあると感じたが、選手たちも“できる”自信を持つことができたのではないかと思う。良い転機になったし、この試合を通じてすごく学ぶことができた」とコメント。実際、その後はリーグで好調を維持して、終盤戦ではクラブ記録となる13戦無敗を達成し、順位を8位まで上げた。昨年の天皇杯は千葉にとってある種のターニングポイントだったとも言えるわけだが、今年はただのターニングポイントで終わらせるわけにはいかない。昨年以上の成績を残すことを目指し、全力で戦う姿を見せてくれるはずだ。
しかし、昨季終盤戦の好調とは一転、今季のリーグ前半戦はやや苦しい戦いを強いられた。その大きな要因は得点力不足だ。現在のチーム内得点王がDFの新井 一耀であることからも分かるように、セットプレーからの得点は多いものの、流れの中から得点を奪うことに苦戦している。アタッキングサードまでボールを運ぶことができても、そこからいかにフィニッシュの局面を多く作れるかというところで、思ったほど多くの決定機を作ることができていない。昨季は14得点を挙げ、今季からエースナンバーを背負う見木 友哉もいまだ3ゴール。この試合もゴール量産とはならないかもしれないが、チャンスをしっかりと仕留め切る冷静さを、チーム全員がピッチで表現したい。
一方の金沢は昨年の天皇杯2回戦で、同じくJ2の新潟と対戦。ただ、前半だけで3失点を喫してしまい、最終的には1-4で敗退が決まった。昨年の大敗の悔しさを払しょくするため、まずはこの一戦で勝ち切る意欲を示したい。
リーグ戦に目を向けると、今季は開幕から4試合勝ちなしと苦しんだが、その後は徐々に勝点を積み重ねることに成功。J1参入プレーオフ圏までの勝点差はわずか『1』だ。
柳下 正明監督体制6年目となる金沢の特徴として挙げられるのが、ハードなマンマーク守備。相手に考えるスキを与えない粘り強い守備から主導権を握れるかがポイントだ。また、両サイドには鋭いドリブルを武器とする選手たちが、千葉の守備陣を切り裂こうと目を光らせている。
両チームは、今季すでにJ2第4節で対戦しているが、その際は1-0で千葉が勝利を収めた。さらに言えば、対金沢戦は6連勝中で、相性の良さがうかがえる。この一戦でも再び千葉が勝利を収めるのか、それとも金沢が負のジンクスに終止符を打つのか。天皇杯2回戦は6月1日19時、フクダ電子アリーナでキックオフだ。
[ 文:藤井 匠 ]
