部員数が多い環太平洋大は中国大学リーグ1部に所属するだけでなく、Iリーグ中国東地区に環太平洋大としてAチームからFチームまで6チームを送り込でいる。そこでは福山大(AチームからCチームまでの3チーム)や岡山大と競っており、選手全員に公式戦のチャンスを用意している。サッカー部のホームページを見ると、部内には学生コーチやマネージャーだけでなく、審判やトレーナーなども学生が担当して学べるようだ。競技力だけでなく、サッカーに対して総合的に取り組んでいる。
環太平洋大は天皇杯1回戦でJFLのMIOびわこ滋賀と対戦した。9分に松久保 拓斗のゴールで先制するも43分に追いつかれ、苦しい時間をしのいで延長戦に突入。すると、110分に田口 涼太がセットプレーのこぼれ球を密集の中から蹴り込んで決勝ゴール。創部してから初めて天皇杯1回戦を突破し、勢いをつけて甲府に挑む。
甲府の吉田 達磨監督は環太平洋大について、「2トップがとても機動力がある。そしてシンプル。ディフェンスラインはハイラインをキープしている。MIOびわこ滋賀との試合映像を少し見ましたが、力関係の差がある中で頑張って戦い、流動的に連動しているチームだと思いました。5-0で勝つことを求める人はいるかもしれないが、そういう試合ではない。相手をリスペクトして戦い、次のステージに進むことが大事。そうすればJ1のチームと試合ができるかもしれない。J1のクラブに挑戦できればわれわれにとって1つの指標になると思う」と話す。
リーグ戦5試合連続引き分け中の甲府にとって、カップ戦は別ではあるが、“勝利を挙げる”という意味では飢えている。この試合は公式戦5連戦の4試合目で、敵地でのリーグ前節・熊本戦から中3日。さらに、4日後にアウェイでの第20節・岩手戦が控えるため、コンディションとメンバー選考が複雑になるタイミングで吉田監督の判断が注目される。
吉田監督は「新しい選手でやりたいとは思いますが、フィールドプレーヤーは全選手がリーグ戦に出場しているので、フレッシュな名前にはならないかもしれない。ケガから戻ってきた選手もいるが、治りたてで起用するかどうか……」と、メンバー選考については少し言葉を濁した。「選手が順番に試合に出ることに慣れると競争がなくなる」という理由で、吉田監督はターンオーバーという言葉を使わない。ただ、リーグ戦のメンバーとカップ戦のメンバーという線引きが分かりにくいスタメンになったとしても、リーグ戦の出場機会が少ない選手の奮起に期待するのは同じ。勝利に飢えているチームに、公式戦の勝利という活力をもたらしたい。
[ 文:マツオ ジュン ]
