「試合に関して重要だった局面が2つあると思います」 札幌戦の試合後会見で、ロティーナ監督は開口一番こう口にした。その1つ目として「きっ抗している中でこちらが先制点を決めたこと」を挙げた指揮官。立ち上がりから両者は相手の特徴に対して有効にボールを動かし、守備でも相手の良さを消そうと良い連動性を見せていた。そのときに生まれたのが山川 哲史のゴール。アンドレス イニエスタの右CKの流れから奪ったもので、メンタリティーを含めてチームに勢いをもたらす得点だった。
2つ目は、「相手に同点ゴールを決められたあとの武藤 嘉紀選手のゴールですね。重要なゴールだったと思います」(ロティーナ監督)。このゴールを演出したのは急きょ、キッカーに指名されてFKからアシストした汰木 康也。汰木はこれを手始めに3点目の菊池 流帆のゴールは右CKから演出し、持ち味のドリブルから4得点目も演出している。
J1第15節・磐田戦での神戸は、組織的な強さを発揮し多くの決定機を作りながらも、ゴールだけが入らなかった。札幌戦で勝利を呼びこむ3得点に絡んだ汰木はチームに備わる力への確かな自信を口にする。
「個人個人がゴール前の質を出せれば今日みたいな試合が毎回できるクオリティーを持ったチームなので、自信を持ってチャレンジを続けたい」。
さらに、札幌戦が神戸での初先発となった橋本 拳人は、「毎試合勝たないといけない試合が続いていますし、うまくいかない時間帯、失点してしまうこともある。それでも『下を向かずにやろう』といつも以上に声が出ていたし、雰囲気作りという面ではすごく向上しているかなと思う」と話す。この勝利の土台にあったのは、どん欲に戦った意志の力。対面の相手に負けず、チームのために走り切るハードワークの力がある。
そして迎える富山戦は、16日間で5試合をこなすリーグ戦の連戦を終えてから中2日での試合。ある程度のメンバー変更も予想されるが、チームとして培う土台を誰もが引き継ぎ、強い気持ちでピッチに立つことになるだろう。
その一方、ノエビアスタジアム神戸に乗り込む富山。歴戦の名将として知られる石﨑 信弘監督が率いて、現在J3で上位をうかがう6位に順位を上げてきた。ここ最近の戦いぶりはJ3第9節・YS横浜戦に5-1で勝利し、5月22日の天皇杯1回戦では同カテゴリーの藤枝に1-0で勝利。5月30日に行われたJ3第10節では相模原に1-0で勝利しており、公式戦3連勝を飾っている。
[3-5-2]のシステムを基本布陣とし、FC東京在籍時に神戸戦でJリーグ初ゴールを決めた経験のあるアルトゥール シルバら実績豊富なタレントもいるが、神戸と同じく中2日の連戦。メンバー編成が注目される。
[ 文:小野 慶太 ]
