柏は昨年の天皇杯で3回戦まで進出すると、当時J2所属の京都と対戦。12分に先制点を挙げたものの、前半のうちに同点弾を決められると、試合終盤に逆転弾を奪われて3回戦敗退となった。ネルシーニョ監督も「われわれにとっては、相手がどこであっても勝つことが求められる中、結果を残せなかったことに非常に悔いが残る」と悔しさを露わにした。昨年はリーグ戦でも残留争いを強いられるなど苦しいシーズンになったが、天皇杯でも思うような結果を残すことができなかった。
だが昨季と反して、今季の前半戦は安定した戦いを披露できている。強固な最終ラインを軸とした粘り強い守備に加え、奪っては縦に速い攻撃でゴールを脅かす。新加入の小屋松 知哉や中村 慶太らはそれぞれの持ち味を、柏の育成組織出身の若手選手たちは軒並み好パフォーマンスを発揮したことで、チーム内にも活気が生まれた。フレッシュなチームの爆発力を本大会でも期待したい。
そんな柏には筑波大ゆかりの人物が多い。三丸 拡や戸嶋 祥郎、今季から加入した加藤 匠人、さらに井原 正巳ヘッドコーチはいずれも筑波大卒業生で、森 海渡は筑波大に在学中だ。その森は昨季まで在籍していた筑波大蹴球部との一戦に向け、こう話す。「正直、すごくやりづらい。楽しみな部分もあるが、今までやっていた選手と敵として対戦するのは変な感じがする。本当に技術の高い選手が多く、相手はうまいかもしれない。けど、プロとしての違いを示したい」。ルーキーながらすでにリーグ戦で4得点を挙げている森 海渡だが、この一戦でも「プロとしての違い」を結果で示すことができるか。
一方、筑波大は天皇杯1回戦でブリオベッカ浦安と対戦。延長戦でも決着はつかず、PK戦までもつれ込んだ末に勝利を収めて2回戦進出を決めた。小井土 正亮監督は試合後、「栗原 秀輔キャプテンを中心に、185人いるチーム全体で戦うことを強調してチーム作りをしてくれていることが、最後まであきらめない姿勢や、『まだ行ける』という雰囲気につながっていると思う」とコメント。このラウンドはJ1に所属するチームが相手と、1回戦のとき以上に苦しくなるが、前向きな気持ちを持ち続けて戦い抜きたい。
筑波大と言えば、過去にジャイアントキリングを起こしたことでも有名。2017年の天皇杯2回戦では当時J1の仙台を下し、3回戦では当時J2の福岡を撃破している。今大会でもダークホースぶりを見せつけ、波乱を巻き起こすことができるか。
ちなみに、両チームは2013年にも天皇杯2回戦で対戦しており、その際は柏が4-2で勝利を収めている。この一戦でも再び柏が勝利を収めるのか、それとも筑波大が下克上を果たすのか。
[ 文:藤井 匠 ]
